2014年03月30日00時15分掲載
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「基本がわかる はじめての中国語」 王ていてい著
中国語の基礎を勉強しようと何度かトライして、何冊か参考書を買ったことがあったものの手が回らず毎回挫折を繰り返してきた。漢字文化なのだから、そう遠くない、と思いながら。
それが今回、中国語がわかるかも・・・と初めてそういう思いを起こさせてくれた参考書に出会うことができた。成美堂出版の「基本がわかる はじめての中国語〜文法をしっかり学びたい人へ〜」である。表紙に「しくみがわかると中国語は簡単に覚えられます!」とあり、実際、この本の良さは中国語の仕組みが分かってくるところにある。説明の仕方が非常にうまいと思った。
基本構文・基本フレーズをページの真ん中に大きく示し、言葉の断片をそれぞれ四角の箱で囲んで、それぞれの語と語の関係を説明する。なんということがない普通の参考書かもしれないが、これを1ページ1ページ続けていくと、だんだんわかってくる気がした。この説明方式はイタリア語やスペイン語などでも非常にわかりやすい参考書で見かけることがある方式である。もしかすると、それらの欧州言語の参考書に多少なじんでいたから、この本の説明のパターンも無理なく頭に入ってきたのかもしれない。中国語には動詞の活用というものがない点で、ラテン系の言語とは根本的に異なるのだが、文法の説明の仕方自体は同じ方式でもできるのだろう。
語学は「わかった」と本人が思ったからと言ってすぐに話せるものでも、使えるものでないことは理解しているが、「わかった」と最初に思えた経験がとても大切だと思う。なぜなら、それまでわからない文字の羅列でしかなかったものが、急に意味が開示され、ドアが開かれるような気がするからだ。この感じがあることで続けていくこともできそうな気がする。
作者の王ていてい氏は巻末の著者紹介によると、1974年にハルビンで生まれ、日本に留学。秋田大学を卒業している。その後、同時通訳を経て、中国語の講師を務めているようだ。中国語を学びたい人のことをよく理解していると思った。
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■語学に再挑戦 3
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