2014年04月29日13時12分掲載
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環境
「リニア建設で湧き水に影響がでれば死活問題に」 リニア新幹線、各地で反対の動き強まる
JR東海が推し進めようとしてるリニア新幹線は膨大なエネルギー浪費とすさまじい環境破壊を進めると、沿線に予定されている地域住民の反対の動きが各地で高まっている。そのひとつ、「リニア新幹線を考える相模原連絡会」の発行する『ストップリニアニュース』No19(4月26日発行)に掲載された地元造り酒屋さんのお話は、リニアは地域住民のくらしにいかに影響するかを具体的に教えてくれる。(大野和興)
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串川のほとり、根小屋で100年以上にわたり酒造りをつづけられている久保田酒造さんを、4月9日に6人で訪問しました。 酒造りが一段落したとはいえ、まだまだお忙しい中、社長さんが2時間も対応してくださり、貴重なお話しを聞くことができました。
◆水の確保にたいへんな思い
酒造りには大量の水が必要で、リニア建設で湧き水に影響がでれば死活問題になるため大変心配されていました。 実は宮ケ瀬ダム・津久井導水路建設にあたり、裏山の水源が危ないと、神奈川県が久保田酒造さんの敷地から1キロ離れた場所にくみ上げ井戸を準備したそうです。 それ以来そちらの井戸をメインの水源にされていましたが、今度は津久井広域道路建設で、橋脚部にあたる井戸は使えなくなり、再び裏山の水源を使用されています。
◆リニア建設で水源がどうなるか不安
津久井広域道路建設の時は、5年位前から県による裏山の井戸の観測がはじまり、水質を毎月検査するなど、県や市の対応はしっかりしたもので安心だったそうです。裏山に水源を移してから1年位後まで流量計もつけてくれ、水源が大丈夫かどうか調べてくれたとのこと。 しかしリニアは一民間企業が行うため、どこまで補償してくれるか不安を訴えられていました。
◆伝統的な酒造りを応援したい
政令指定都市になる時、相模原市から記念のお酒造りを依頼された久保田酒造さんは、まさに「潤水都市相模原」を象徴するお店です。 「和食」がユネスコ無形文化遺産になり、お料理と一緒にいただくお酒も欠くことができません。伝統的な方法で酒造りをされる方が減っている中、30代半ばの若い社長さんががんばっていますので応援したいです。日本の伝統技術を何とか途切れることなく守っていきたいと強く思いました。
(リニア問題を考える相模原連絡会『ストップリニアニュース』No19より。記:河村妙子)
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