2014年05月09日14時52分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】六ヶ所再処理工場は稼働できない? 山崎久隆
ますます六ヶ所再処理工場本格操業の根拠がなくなっています。
再処理とは、核燃料を燃やした後に、それを切り刻んで硝酸溶液に溶かし、プルトニウムを取り出して再度燃料として加工し、燃やすための工程の、プルトニウムを抽出する工程を指します。
福島第一原発震災では核燃料が破壊され、大量の放射能をまき散らし、福島県を中心に大規模環境汚染を引き起こしたのですが、再処理とは燃料を溶かして封じ込められているプルトニウムや放射性廃棄物を取り出すので、せっかく燃料棒に閉じ込められている放射能を、わざわざ溶かしだしてしまいます。ここで事故が起きれば福島原発震災を遙かに超える破局的原子力災害になります。
そして六ヶ所ムラは今回の地震の震源域にも近い上、下北半島の沖合には十勝沖地震などを引き起こしてきたプレート境界があり、さらに再処理工場の下や近傍にも断層が走り、かつ、恐山という活火山が半島の真ん中にあります。他にも十和田、洞爺湖などカルデラ火山が近くにあり、現在も活動し続けています。
2.2兆円の巨額の費用と20年間もの時間を掛けて作ってきたものの、トラブルと事故が頻発し、稼働できないまま「試運転」状態が続いていた六ヶ所再処理工場ですが、推進してきた原子力委員会の委員からも再処理工場の稼働は事実上不可能になるだろうとの発言が出始めたようです。
ただしこれは推進側のリークかもしれません。こういった圧力がかかっているとリークし、「プルトニウム利用計画の実行を図らねば再処理不能となり、使用済燃料の持って行き場がなくなるぞ」と電力会社などを脅しているとも取れます。
世界に例の無い極めて危険なフルMOXの大間原発や、高速増殖炉「もんじゅ」計画、プルサーマルなどプルトニウムを消費する計画を強行させる圧力であるとも言えるのではないでしょうか。ということは、私たちにとっても大間原発とプルサーマルを止めることが、いかに大きいことか分かります。
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核再処理工場、縮小稼働論が相次ぐ 青森・六ケ所村
(4月25日朝日新聞より)
原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す青森県六ケ所村の再処理工場について、完成してもフル稼働させず、縮小運転にせざるを得ないとの発言が原子力関係者から相次いでいる。プルトニウムは核兵器に転用できるため、すでに海外からの疑念や摩擦の原因となっており、これ以上、その保有量を増やせないとの判断からだ。
同工場は1993年に着工し、2兆1930億円を投じて今年10月の完成を目指している。年800トンの使用済み核燃料を処理し、8トンのプルトニウムを抽出する能力がある。ただ現状では、それを原発の燃料にする「プルサーマル」のめどがたっていない。
今月から内閣府原子力委員会の委員長代理に就いた元外務官僚の阿部信泰氏は、就任前の3月14日に米ワシントンであったシンポジウムで「六ケ所はフル稼働にはならないだろう」と発言。その理由の一つとして「プルトニウムの需給バランスを保ち、少なくとも保有量が増えないようにするため」と説明した。核テロや核拡散を心配する米政府が各国にプルトニウム保有の最小化や核開発の断念を呼びかけており、それが発言の背景にある。
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