2014年05月16日11時04分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201405161104005
国際
【AIニュース】世界に蔓延する拷問 新たなキャンペーンで明らかに
過去5年間、アムネスティは少なくとも141カ国で拷問その他の虐待が行われていることを記録してきた。過去5年間、アムネスティは少なくとも141カ国で拷問その他の虐待が行われていることを記録してきた。世界の全大陸の21カ国、2万1千人以上を対象とした調査で、これらすべての国で拷問が行なわれていることが明らかになった。(アムネスティ国際ニュース)
回答者の半数近くが、もし身柄を拘束されたら拷問を受けるかもしれないという恐怖を感じている。8割が自分たちを拷問から守るための厳格な法律を望んでいる。3分の1以上が、拷問は正当化されることもある、と考えている。
アムネスティは、1984年に画期的な拷問等禁止条約が国連で採択されてから30年たっても、各国政府が拷問を根絶する義務を果たしていないことを非難してきた。各国は、拷問を法律上は禁止し、実際には拷問を促進しているという偽善を行っている アムネスティは、世界にはびこる拷問などの虐待と闘う国際的キャンペーンを開始した。
拷問は、なくなるどころか、広く世界に横行している。治安の名の下に拷問を正当化する政府が増え、過去30年間、拷問根絶への取り組みの成果が崩れてきている。
1984年以降、155カ国が条約を批准している。アムネスティはこのうち142カ国を調査した。その結果、少なくとも79カ国が2014年も拷問を行っていることがわかった。調査した142カ国の半数以上にのぼる。国連加盟国のうち32カ国が条約に加入していないが、拷問の法的禁止はすべての国に適用される。
拷問は秘密裏に行われるため、拷問を続ける国の実数はもっと多いはずだ。拷問を日常的、組織的に行っている国もある。他の国々に関しては、アムネスティは稀な例外的なケースのみを記録した。
拷問廃止キャンペーンは、さまざまな拷問方法についてのメディア向け説明から始まる。拷問の方法には、苦痛を伴う長時間の姿勢や睡眠剥奪から恥部感電まであり、対象は、犯罪容疑者、治安関連の被疑者、異議を唱える者、政敵などである。
調査に答えた回答者の半数近く(44%)が、自国で拘束された場合拷問を受ける可能性があるとし、大多数(82%)が「拷問を明確に禁止する法律が必要だ」と答えた。一方、3分の1以上(36%)が「拷問が正当化される場合もある」と答えている。
講じる措置としては、拷問の犯罪化や独立機関による拘禁施設の監視、取調べの録画などがある。いずれの措置でも拷問の行使が減少するという結果がでている。
アムネスティは、拷問を防止し拷問を処罰するために、適切な医学的検査、被疑者の弁護士接見、独立した機関による拘束施設の監視などの策をとるよう各国政府に求めている。
アムネスティは、拷問根絶に向けた世界的な運動を続けているが、今回のキャンペーンでは回のキャンペーンでは、メキシコ、フィリピンなど、特に拷問がはびこる5カ国に対して集中的に取り組む。
メキシコでは警察や治安部隊による虐待が蔓延し、罪を問われることもない。4人の子どもを持つ女性(31歳)は、2人の兵士に拉致され兵舎に連行された。そこに1週間拘束され、強かん、窒息、電気ショックなどの拷問を受け、麻薬関係の犯罪に関与したことを「自白」させられた。
フィリピンでは、拷問を生き抜いた人が法的に救済されることがほとんどない。最近発覚した秘密の拘束施設では、警官たちは遊びで被拘束者を虐待していた。囚人の拷問方法をルーレットで決めていたという。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。