2014年05月18日23時56分掲載
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コラム
「隣人、親、先生をうたがえ」 鬼塚忠
先日、あるユダヤ人を取材したときに、こんな話を聞いた。
日本では、「隣人、親、先生など人をうやまえ」と教えているが、それは違うのではないかと言う。しかし、人間であれば人を尊重することは大事なのではないか。そう思っていると、「隣人、親、先生をうたがえ」が正しいあり方だと言うのだ。
「たとえ、親であっても先生であっても、人の言うことを盲目に従ってはいけない。独裁も圧政も疑わないからああなった。世界で起こっている悪いことはほとんどそう」と。その話があまりにも強く頭に残っていたので、それ以降、私も疑う人間になることにした。
弁当を購入したとき、さっそく裏に書かれてある添加物を疑った。その場でスマホにて検索。すると、怖い結果が出てきた。食べ続けると〇〇に支障をきたす恐れがあります、と。こんな物食べ続けてはいけない。そう思った。
疑い始めればきりがない。その添加物の説明は正しいのか?ネットをたどってみると、それも怪しく思えてくる。添加物に関する考え方は、政治に関する右左の考え方に比例しているように思える。左翼の人たち(共産党系)は、反添加物だし、右系の人たち(保守系)は、企業寄りで、添加物容認が多かったりする。
結局、疑い過ぎて仕事が手につかなくなり、しまいには疲れてしまった。
しかしだ、本当に疑うべきは他にあるのではないかと思う。安倍政権に対する洞察は様々なメディアで発信されており、私たちもよく目にするのだが、情報は氾濫している。彼らは何をしたいのか、本音はどこにあるのか。やっていることは見えるが、やりたいことはよくわからない。まだまだ疑いが足りない。
思うに、日本は本当に戦争に向かっているような気がしてならない。日本にその気がなくとも、アメリカによって戦争に巻き込まれる可能性が高い。もし中国を敵に回したらと思うと、空恐ろしく感じる。
藻谷浩介氏の『デフレの正体』にあるように、経済力とか国力というのは人口に比例する。中国に行ってみると驚くが、東京と同規模の都市が6つあり、大阪みたいなものになると20はあるだろう。こんな国を敵に回している。
私たちが疑うべきは何か考えてみよう。そう、生活に支障をきたさない程度に。
鬼塚忠 (作家・出版エージェント)
「アップルシード・エージェンシー」代表
http://www.appleseed.co.jp/
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