2014年05月27日08時19分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201405270819292

アジア

「この島の夜明け」 〜台湾議会占拠にちなんで若者が作った歌〜

  台湾の議会占拠の時、学生たちは1つの歌を作って闘っていた。そのタイトルは〈島嶼天光〉(Island's Sunrise)というものだ。訳せば「この島(台湾)の夜明け」ということになる。 
http://www.youtube.com/watch?v=iV8JDbtXZm4 
  この歌は滅火器楽団という台湾で人気のある歌のグループのリーダー楊大正氏と、芸術大学のOBが組んで作ったと言われている。なぜ「この島の夜明け」かといえば、この歌が生まれたのは学生の一派が行政院に突入して、機動隊に強制排除されけが人も多数に上った直後だったからだと聞く。それは3月24日未明のことだった。強制排除の行われた時間が深夜から夜明け前だったのだ。そこで滅火器楽団の楊大正氏にあるイメージが生まれ、48時間以内にこの歌が生まれたとされる。 
 
  歌の意味だが、歌の主人公である「僕」が母親や恋人に今、ここを(議会を)出ることができない、と弁明しているのである。僕は今、映画を見に行くこともできないんだ、と。今、人民を痛めつけるものと闘っているのだから、と。僕たちは前よりも強くなる。夜明けは近い、今日こそ立ち上がる日だ、と語る。 
 
  台湾の記事によると今回の学生運動のリーダー、林飛帆氏が滅火器楽団のファンで、そこで楽団の楊大正氏に歌を作ってほしいと頼んだようだ。暴力で戦うのでなく、柔らかい力(文化の力)で戦うために。滅火器楽団の楊大正氏もまた、中台サービス貿易協定に反対の座り込みを林氏らと行っていたようだ。つまり、この歌は音楽家自ら運動に参加し、その過程で自発的に生まれたと言えるだろう。 
 
■Youtube 楊氏と学生たちが「この島の夜明け」を合唱する映像 
https://www.youtube.com/watch?v=b6JyeTpI5Qw 
  学生リーダーの林飛帆氏も歌詞を手に歌っている。3月27日とあるから、歌ができてすぐに歌ったのだろう。林氏は以前、陳為廷氏と、新聞報道の自由を訴える運動をしている時にギターで歌を歌っていた。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。