2014年07月03日19時05分掲載
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反戦・平和
サラエボ日記(1) 建物の外壁には穴が開いている
第1次大戦勃発から今年で100年となった。きっかけは、サラエボ(現在はボスニア・ヘルツェゴビナ首都)で、オーストリア・ハンガリー帝国のフェルディナント大公夫妻が殺害された事件(1914年6月28日)だ。−−少なくとも、学校ではそう教わっている。先月末、サラエボを訪問した様子をつづってみた。(小林恭子)
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いくつかの原稿を書く機会があったことで大戦に興味が湧き、6月26日から、サラエボに来ている。筆者が住むロンドンからオーストリア航空でウイーンに飛び、ウイーンからサラエボへ。飛行時間はトータルで2時間半ほどだが、トランジットがあって、4時間半ほどかかる。それでも、複数の箇所を巡ってサラエボに来ると〔ロンドンから)11時間以上かかる・・・なんていうこともあることをフライト情報を調べているうちに分かった。
ロンドンとサラエボ〔欧州大陸)との時差は1時間〔サラエボが1時間早い)。時差がほとんどないと言って良いだろう。
サラエボ空港は大きくはない。しかし、自分が過去に行った欧州の他国の空港と比べたら、極度に小さいというわけではない。ツアリスト用インフォメーションのコーナーもきちんとある。
旅の前にチェックしたのがトリップアドバイザーなどのサイト上の情報だ。今はずいぶんとよくなったものである。私が見つけた中では「実際に行って見ると、どの人も親切」というコメントだ。飛行場ですでにそう思った。
ホテルもネット上で高い評価を受けているところをじっくり選んでみた。今のところ、レビュー通りの結果である。スーパーが近い(連泊の場合、飲み物や若干の食べ物、こまごましたものを手に入れる必要がある)、冷蔵庫がある、静か、スタッフが親切、部屋が清潔、ネットが使えるかどうかー。
ー戸外で、テーブルの周りに集まっておしゃべり
スーパーの場所を聞いて、早速買い物に出かけたら、途中の道にアパートが並んでいるのだが、壁に妙に穴がたくさん開いている。ばっくりと穴を開けている箇所も。これは1990年代の内戦のときにできたものではないか、と思った。それ以外にこんな穴ができるわけがない。写真を撮ろうと思ったら、カメラを部屋に忘れてきていたー。
戻って、窓を大きく開けてくつろいでいると、カフェ、ダイナーらしきものの前にテーブルを置き、男性陣がビールを飲んだり、おしゃべりに興じている声が聞こえてくる。なにやら、楽しそうだ。
暑いので、2階に住む人は窓を開けて、外の様子をぼうっと眺めていたり、タバコを吸っていたりする。
夜は9時ぐらいまで、ずーっと話し声が聞こえてきた。
夜中、目を覚ますと、外は真っ暗。とても静かだ。こんなに音がない場所にいたのは、何年ぶりだろう。
「静かだから、夜は良く眠れるはずですよ」とホテルの人が言っていたのは本当だった。
(後で撮影した「壁の穴」の写真をつけました。)
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