2014年08月18日11時11分掲載  無料記事
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文化

哲学者 木田元さん亡くなる

  木田元さんが亡くなった。木田さんと言えばハイデッガーやメルロー・ポンティなどの研究者であっただけでなく、中央大学で教鞭をとりながら大衆向けにわかりやすい哲学入門を多数執筆したことでも知られる。 
 
  中でも最も広く読まれたのは「わたしの哲学入門」だろう。この本を手にすると、近代哲学が一望でき、中でもカントについて非常にわかりやすくまとめられている。さらに、木田氏の専門となるハイデッガーにいたる系譜としてキルケゴールやニーチェについて記されている。この1冊を手元に置いておくと、それぞれの哲学者の本を読むときに心強い案内人となってくれるだろう。 
 
  木田氏は著書の中で繰り返し、繰り返し、哲学を学ぶことは一見地味ながら、原書を丹念に読むことだと説いている。読むことによって哲学者の思想がだんだん理解できるようになる。学園紛争の頃、学生の要求に応じて読書に変えて自由討議を行った経験があったが、それはまったく不毛以外の何物でもなかったと厳しく指摘している。 
 
  「わたしの哲学入門」では英語、ドイツ語、ギリシア語、ラテン語などをどう学んだかについても触れられている。かつての学生はこんなにも勉強していたのか、と驚かされる。 
 
 
■木田元著 「わたしの哲学入門」 
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