2014年09月29日12時30分掲載  無料記事
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欧州

2017年フランス大統領選 サルコジ前大統領の前線復帰を嗤う国民戦線名誉党首

  イスラム国との確執に悩まされるフランス。フランス国内からも数百人のイスラム教徒の若者が渡航し、イスラム国の戦士になっているとされる。そんな中、勢力を伸ばしているのが右翼政党の国民戦線(FN)である。国民戦線の二代目党首マリーヌ・ルペン氏は2017年に大統領になるために全仏で党勢拡大をはかっている。フランソワ・オランド大統領の支持率が歴史的低迷の中、次第にその可能性も高まりつつある。 
 
  そんな中、サルコジ前大統領が政界に復帰し、2017年の大統領選のための国民運動連合(UMP)の予備選に出馬する意向を発表した。このところ、2007年の大統領選の際の選挙資金疑惑を大々的に報じられながらもしぶとく生き残っているサルコジ氏。庶民の中にも元弁護士のサルコジ氏のしたたかさと強さを見る人は少なくない。 
 
  そんな中、フランスの雑誌ル・ポワンは国民戦線の名誉党首ジャン=マリー・ルペン氏がサルコジ氏の政界復帰を喜んでいると報じている。つまり、サルコジ氏でよかった、という意味である。サルコジ氏がUMPから出馬するなら、娘のマリーヌ・ル・ペン氏が大統領になる可能性が一層高まった、と言っているようだ。サルコジ前大統領がフランス国民の意志に反して、欧州連合に強くコミットしたおかげでフランスが欧州連合の経済危機のあおりを受け、経済が低迷し、国内が不安定になっている、と訴えているのだ。特に国民投票でフランス国民が欧州連合への統合強化に反対しているにも関わらず、強力に欧州連合を推進した、として批判している。 
 
  UMPの大統領候補者にはフランソワ・フィヨン元首相やこの間、社会党のアンヌ・イダルゴ氏にパリ市長選で敗れたナタリー・コシュースコ=モリゼ氏らもいるとみられている。そんな中、国民戦線がサルコジ大統領の出馬表明を嗤っているのは焦りの裏返しでもあるのではないか、と推測される。死んだ犬を蹴る者はいない、という。叩かれても叩かれても浮上してくるサルコジ氏のしぶとさがそこにあるのだ。 
 
 
■ル・ポワン誌’Le retour de Nicolas Sarkozy rejouit Jean-Marie Le Pen’ 
http://www.lepoint.fr/politique/le-retour-de-nicolas-sarkozy-rejouit-jean-marie-le-pen-28-09-2014-1867428_20.php#xtor=CS1-32 
 
■サルコジ前仏大統領、2017年大統領選の予備選に出馬表明 
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKCN0HL0UR.html 
■<ナタリー・コシュースコ=モリゼ氏、出馬を否定せず> 
Presidentielle 2017 : NKM en'exclut pas a de se presenter a la primaire UMP 
http://www.leparisien.fr/politique/presidentielle-2017-nkm-n-exclut-pas-de-se-presenter-a-la-primaire-ump-03-07-2014-3974627.php#xtref=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2F 


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