2014年12月11日13時08分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201412111308194

中東

【衆院選の争点】「この道しかない」のか、「この道はあぶない」のか 池住義憲

 今回の衆院解散総選挙、私も「党利党略」解散総選挙だと思っている。「争点隠し」「論点撹乱・混乱」解散総選挙でもある。そうであっても、積極的に受けて立とう。安倍首相が言うように、「この道しかない」のか。それとも、「この道はあぶない」「この道に(の)先はない」のか。 
 
 前回衆院総選挙(2012年12月)からちょうど2年経った今、なぜこのタイミングでの衆院解散総選挙なのか。その真のねらいは何か。私は、「明文改憲」だと思う。消費税増税18ヶ月先送り、アベノミクスの是非を全面に押し出して真の争点を隠し、目立たないようにしている。が、騙されてはいけない。 
 
 衆院議員の任期は、4年。当選から最初の2年半か3年は勢いがあり、国政審議に集中できる。しかしそれ以降は、次回総選挙のための準備・基盤固めなどで浮足立つ。ならば今の時点でリセットし、2015年1月からリスタートを切る。明文改憲するには数年かかり、勢いが必要であることを見越しての政治的判断としか、私には思えない。 
 
 この2年間、安倍首相は、布石を着々と打ってきた。2013年5月から憲法審査会を始動。同年11月に日本版NSC法(国家安全保障会議設置法)、12月に特定秘密保護法を次々に成立させた。米国/米軍から高度な軍事情報を日本が得るためには、その受け皿となる組織が必要であり、情報が漏れない強固なシステムが必要だからだ。 
 
 2014年6月に国民投票法を成立させ、いつでも国民投票を実施できる法的根拠を整備する。そして、7月1日、憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を容認する閣議決定へと続いた。 
 
 政府による解釈改憲は、これまで三回、行われてきた。一回目は、1954年。その年の7月1日に発足した自衛隊は、「戦力」でなく必要最小限の”実力”である、と解釈を変更する。第一次鳩山内閣の時だった。以後、自衛隊の存在は違憲でない、と解される。 
 
 二回目目は、1972年10月の政府見解。田中内閣の時で、現平和憲法下で個別的自衛権の行使は認められる、と解釈を変更する。 
 
 そして三回目。それが本年(2014年)7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定。日本と密接な関係にある他国(米国)が攻撃され、それによって日本の存立が脅かされると時の政府が判断した場合も、武力の行使は現平和憲法下で容認される、とした。 
 
 個別的自衛権は、自国防衛。集団的自衛権は、他国防衛。憲法9条のどこをどう読み、どう解釈すれば、「集団的自衛権は憲法上容認される」と解することができるのか。もはや「国語の崩壊」だ。 
 
 安倍首相がいう「この道」は、あぶない。本当にあぶない。投開票まで残り4日。隠された真のねらい・争点を全面に押し出し、論点を明確にし、私たちの怒りの民意を、12月14日に示そう。 
 
 私は、憲法改悪反対、原発再稼働反対を明確に公約に掲げる政党に、これからの日本の社会、とくに次世代の人たちの社会の舵取りを託す。投票に行こう! 
 
以上 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。