2014年12月18日22時21分掲載
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コラム
選挙とハリウッドとシナリオライター
オバマ政権が誕生する以前に、アメリカで人気のドラマ「24」シリーズなどで格好いい黒人大統領が登場する場面を何度も目にしました。民主党の期待の新人・オバマ氏が大統領になってもいいように民主党支持の映画プロデューサーたちが数年前から米国人大衆にイメージを刷りこんでいたのではないか、と推測しています。
そういえば、アメリカのある政治ブログで、ハリウッドの練達のシナリオライター達が外国のクーデターの台本まで(米陰謀家の資金を得て)書いていると聞いたことがあります。その話は本当か嘘か知りませんが、2009年のホンジュラスのクーデターの時に読みました。クライマックスから最後の締めまで二転三転、息をのむ展開なのです。すごいのは一方的な見せ場だけではなく、「敵」による反転攻勢にあって危機に陥ることまで物語に折りこんで展開していく技術力にあります。そして最後の政治的な落としどころをきちんと書くのです。だからこそ、この話にどこかリアルなものを感じたのです。政治家だけでは大衆の反応まで読み込めないからでしょう。
二大政党制と小選挙区制。英国やアメリカに倣って作られたはずですが、野党に戦略性が欠けています。それはシナリオ力と言ってもいいのではないでしょうか。魅力的な登場人物や胸を打つ粋なセリフ、さらにハラハラドキドキ息をのませる意外な展開、そして感動。大衆の心をわしづかみにするシーンが描けないようでは野党に明日はないでしょう。今、腕のいいシナリオライター達は与党に雇われているように見えます。
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