2015年01月25日10時31分掲載  無料記事
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中東

2015年3月のイスラエル総選挙 ネタニヤフ首相下ろしを狙う「シオニスト」連合 〜労働党と新党の中道連合が「シオニスト」を名乗る〜 安倍首相は今時分なぜイスラエルへ? 謎多き日本外交

   人質が処刑される直前に安倍首相はイスラエルの超タカ派ネタニヤフ首相と会談したことは記憶に新しいが、イスラエルでは3月の総選挙でネタニヤフ首相を下ろすための連合勢力が誕生している。 
 
  イスラエルの新聞ハーレッツによると、中道連合はシオニスト・キャンプと名乗っている。シオニストと言えばむしろ、ネタニヤフ首相の側のような印象を受ける人が多かろうが、実は中道と左派の連携。具体的には アイザック・ヘルツォーク(Isaac Herzog)氏が率いる労働党とツィッピー・リブニ(Tzipi Livni) 氏が率いる新党のハトヌア(Hatnuah)党の連合である。 
 
  ツィッピー・リブニ氏と言えば女性の首相候補と言われてきた中堅の実力者で、もともとはネタニヤフ首相と同じ右派政党のリクードに所属していたが、故シャロン氏が中道の新党カディマを立ち上げた時、行動を共にした。その後、ハトヌア党を結成し、党首となっている。労働党とハトヌア党が「シオニスト連合」を名乗っている理由はleftist=左翼というイメージがイスラエルでは国民にアピールしなくなっているからだという。だから、あえてタカ派的な名前をつけ、浮遊票を得ようと言う作戦らしい。ちなみに、ツィッピー・リブニ氏が率いるハトヌア党はイスラエルとパレスチナの二国体制をよしとする。パレスチナが国家になるのを妨げてきた与党とは一線を画する政党である。 
 
  安倍首相がイスラエルを訪問するなら、3月の総選挙を終えた後の方が良かったのでは?その理由はシオニスト連合が選挙で勝利を得た場合、イスラエルの政策が変わる可能性もあるからだ。だから、外務省と安倍政権はむしろ、タカ派の現政権を支援する姿勢を見せたと思われても仕方がないと国際的に見られている。そのネタニヤフ首相も、パレスチナが国際刑事裁判所に参加した場合、訴追される可能性すら出ている。 
 
 
■ハーレッツ紙の記事  中道2党がシオニスト連合結成 
http://www.haaretz.com/opinion/.premium-1.638778?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter 
 
■シャロン元首相の追悼記事 〜なぜリクード党から中道政党にシフトしたのか?〜 
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