2015年02月02日23時19分掲載
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コラム
リシャウイ死刑囚の死刑免除の嘆願
後藤氏や湯川氏の人質事件がなかったら、その名前を聞くこともなかったかもしれない女性のリシャウイ死刑囚。彼女の命は後藤さんと引き換えになるはずだった。様々な思惑が入り乱れて、真相は霧の中にある。日本では後藤さんの助命嘆願の動きがあちこちで起きた。
日本人の人質は殺され、この事件も次の局面へ、日本人の関心は移りつつある。しかし、人質交換の相手とされたヨルダンの刑務所にいるリシャウイ死刑囚は未だ死を待つ身で獄中にいる。
彼女がテロリストだったことは確かだろうが、しかし、彼女の家族はイラク戦争で殺されたと報道されている。イラク戦争はアメリカによる侵略戦争である。開戦の理由とされた大量破壊兵器も存在しなかった。しかし、戦争を起こしたブッシュ大統領は国際刑事裁判所に訴追されることなく、自由に日々を過ごしている。
テロ行為を許してはならないことは言うまでもないが、リシャウイ氏を死刑にしたからと言って解決する問題ではないだろう。リシャウイ氏がどのような思いで今日まで日を過ごしたのか、その真実が知りたいものだ。
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