2015年02月06日15時20分掲載
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中東
サウジアラビアが9・11同時多発テロ事件に資金援助していたという証言 王子三人の名前もあがる サウジは否定
サウジアラビアでは国王が亡くなって世代交代したことや、石油価格の下落を仕掛けているのがサウジアラビアであることなど、最近、今までと違った形で注目されることが増えている。そして、今、米国からサウジアラビアへ1つの疑惑が突きつけられている。
2001年の9・11同時多発テロの主要な資金源がサウジアラビア国家だったのではないか、とする疑惑である。その疑惑は現在、米刑務所に収監されているフランス人のイスラム聖戦主義者、ザカリアス・ムサウイ氏の証言から生まれているものだ。ムサウイ氏はモロッコ系フランス人で、2001年8月、あの同時多発テロ事件の1か月前にFBIに逮捕され、収監されていた。この逮捕は不法滞在が名目らしいが、FBIにマークされた理由はムサウイ氏がミネソタ州で飛行訓練講習に通っていたことだった。
ニューヨークタイムズによると、ムサウイ氏は証言の中でアルカイダで活動していた当時、資金援助者のデジタルデータベースを作成する任務を担当しており、その中にサウジアラビア政府関係者や3人の王子の名前があったという。3人の王子とは Prince Bandar bin Sultan, Prince Turki al-Faisal 、Prince al-Waleed bin Talal だそうだ。サウジアラビアはその事実を否定しているとされる。
かつてアルカイダのリーダーだったオサマ・ビン・ラディン氏はサウジアラビア国籍で、そもそも、米国はビン・ラディン氏らがアフガニスタンで行っていたソ連との聖戦を資金援助していた。当時、サウジアラビア政府もまたビン・ラディン氏らと協力関係にあった。その関係がいつまで続いていたのか。今日はどうなのか。こういったサウジアラビアとイスラム過激派組織との関係がクローズアップして米議会を動かしているようだ。記事ではムサウイ氏に対して刑務所でさらなる証言を求めるとされている。ただ、問題は刑務所に収監されている人物の供述にどこまで信憑性があるのか、ということだろう。
イスラム教原理主義国であるサウジアラビアはシリアのアサド政権に対する反政府軍事勢力にも資金や武器支援を行ってきたとされる。一昨年の暮れから国内の反政府派封じ込めの弾圧の手を強化しており、最近ではネット論客ライフ・バダウィ氏を逮捕し、鞭打ち刑にしていることが国際社会から批判されている。サウジアラビアの石油増産は石油価格を下げさせ、米国のシェールオイル業界をつぶす戦略だという報道も最近、目にする。このように最近のサウジアラビアをめぐる記事は基本的にサウジアラビアを叩く論調が増えているが、うがった見方をすれば米国との関係が冷めてきているのかもしれない。
■ニューヨークタイムズ記事
http://www.nytimes.com/2015/02/04/us/zacarias-moussaoui-calls-saudi-princes-patrons-of-al-qaeda.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&module=first-column-region®ion=top-news&WT.nav=top-news&_r=1
■活動家にむち打ち刑50回を執行、残り950回 サウジ
http://www.cnn.co.jp/world/35058903.html
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