2015年02月19日13時48分掲載
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沖縄/日米安保
海外の有識者15人から「辺野古移設の阻止求める」手紙 池田龍夫
普天間飛行場の名護市辺野古移設計画は、依然対立が続いている。先の選挙で名護市長に再選された稲嶺進氏に続き、新知事に翁長雄志氏、新那覇市長に城間幹子氏が選出されたが、3氏とも辺野古移設反対を表明して当選した。沖縄県民の移設反対を如実に示しているのに、政府自民党は民意を無視して膠着状態となっている。
海外への波紋も大きく、オーストラリア国立大のガバン・マコーマック名誉教授、米アメリカン大のピーター・カズニック教授、海洋生物学者のキャサリン・ミュージック氏ら15人が1月23日、翁長知事に手紙を送り、辺野古の新基地建設に向けた日本政府の作業を止めさせるため積極的な行動を取ることを求めている。
琉球新報1月25日付朝刊が、ワシントン特派員電として報じたもので、「埋め立て作業を止める権限を持つのは日米両政府と、埋め立て承認の取り消しを撤回ができる県知事だけだ」と指摘し、4月以降に計画される翁長知事の訪米前に「承認の取り消しか撤回の意思表示」をするよう提言している。
このほか,辺野古への軍港建設の構想があるという。中国を睨んだ米国の新戦略に違いないが、沖縄を都合のいいように利用する姿勢は絶対阻止すべきである。
琉球新報1月25日付社説が、「翁長知事を先頭に辺野古移設反対を訴える沖縄の民意を、安倍政権は力ずくでねじ伏せようとしている。もはや法治国家ではない。恐怖政治がまかり通る『一党独裁国家』のようではないか」と怒っていたが、米国の横暴極まれりの感が深い。
一方、2月12日行われた安倍晋三首相の施政演説は、表向きの美辞麗句ばり。問題が拡散し過ぎて、何を重点に実行するのか分からない。
「学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場の返還を、必ずや実現する。そのために、引き続き沖縄の方々の理解を得る努力を続けながら、名護市辺野古沖への移設を進めてまいります。今後も、日米両国の強固な信頼関係の下に、裏付けのない『言葉』ではなく実際の『行動』で、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでまいります」。
特に外交・安全保障の項目に至っては噴飯ものだ。琉球新報13日付社説は「大差で当選した翁長雄志知事が上京しても、首相はおろか沖縄基地負担軽減担当相の菅官房長官、外相、防衛相の誰一人会おうとしない政権だ。これで『「引き続き沖縄の方々の理解を得る努力を続ける』とは、聞いてあきれる。辺野古移設は、地元の市長選で移設反対派が再選され、反対派が市議会の多数を占め、知事選も圧勝し、総選挙では移設容認派が選挙区で全滅した。民主主義に基づくあらゆる手段で示された移設反対の民意を、政権は完全に無視して移設作業を強行している」と弾劾劾していたが、本土の沖縄蔑視に県民は腹を立てている。
安倍首相は「日本は変えられる」と繰り返し述べた。その通り。それなら、米軍基地削減・撤去を要求し続け、沖縄に真の民主主義を構築すべきである。
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