2015年03月19日15時12分掲載
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アジア
アムネスティ タイ「不敬罪」は「表現の自由に対する弾圧」と警告
バンコクの裁判所は2月23日、演じた劇がタイ王室を侮辱したとして活動家ら2人が不敬罪に問われていた裁判で、有罪判決を下した。これは、軍事政権による表現の自由に対する弾圧である。判決は直ちに破棄されるべきである。(アムネスティ国際ニュース)
パティワト・サレヤエムさんとポルンシップ・ムンコンさんは2013年10月、タマサート大学で架空の王国を舞台にした芝居を上演した。これが同国の不敬罪法に触れるとして、2人は懲役2年半の有罪判決を言い渡された。
2人は2014年12月に容疑を認めている。両名は6カ月以上の勾留中、何度も保釈申請を行ってきたが却下されていた。
これは表現の自由への挑戦である。劇を演じただけで収監されるとは、まったく恐ろしいかぎりだ。
タイの軍事政府は昨年政権に就いて以来、批判的な言論を封じるため、権利を平和的に行使しているだけの人たちに対し、不敬罪法をこれまでになく頻繁に適用している。
2人はそもそも裁判にかけられる理由はなく、有罪判決は破棄されるべきである。彼らが有罪答弁をしたことを刑事責任の受け入れととらえるべきではない。裁判所は有罪答弁をした被告人に対して常に減刑するからである。
不敬罪の被疑者は、国の治安に関わるという大義名分で、通常、保釈を却下される。2011年に逮捕され、2013年に不敬罪で有罪判決を受けた雑誌編集者のソムヨット・プルエクサカセムスックさんは、控訴中も含め16回保釈を申請したが、却下された。
アムネスティ・インターナショナルは、意見を表明しただけで拘束されたすべての人びとを良心の囚人であるとみなし、即時かつ無条件の釈放を求めている。
タイ政府は、市民的及び政治的権利に関する国際規約をはじめとする国際的な法的義務に国内法が準拠するものとなるよう、不敬罪法を改正する必要がある。
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