2015年04月14日16時13分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】ネゴ Negotiation(交渉)の時代 平田伊都子

 オバマとカストロが身を乗り出して話し込む写真を見ましたか? 世の中、<ネゴNEGOTIATION(交渉)の時代>です。 血を流さなくても解決はできるのです。 二人を見守る国連事務総長パン・ギムーンの笑顔も素敵でした。 西サハラのネゴを仕切るパン・ギムーンが、国連安保理に報告書を提出しました。 <ネゴの時代>を先取りする「ラストコロニー LAST COLONY IN AFRICA」(日本語版)を5月に出版します。 
 
(1)2015年4月10日タンタンで衝突事故、33人以上死亡:BBC 英国TV 
 モロッコ占領地・西サハラの首都、ラユーンで行われたマラソン大会に参加した小学生たちが、大型バスでモロッコ本土に帰る途中、ガス・タンカーと衝突した。場所はモロッコ占領地・西サハラとモロッコとの国境から約100キロ北上したタンタン近郊で、バスは爆発炎上し、33人が即死し、9人の負傷者が病院に運ばれその内の2人が病院で死んだ。負傷者は大部分が子供たちだった。そのタンタンで、2012年4月11日に米海兵隊のオスプレーが墜落事故を起こした。 
 
(2)4月10日、AUPSCアフリカ連合平和安全保障理事会:SPS CORCAS 
 AUアフリカ連合は、平和と安全保障理事会で西サハラ現状と動向を常に追いかけ、少なくとも年に二回の検証会議を設けることを決定した。AUアフリカ連合は2014年に続き、最後のアフリカ植民地・西サハラの脱植民地化を促し、アフリカ大陸から時代錯誤な植民地を排除することを誓った。西サハラを植民地支配するモロッコは、すかさず、モロッコ外務大臣の名でAUアフリカ連合の決議に反発する声明を出した。 
 
(3)4月10日、パン・ギムーン国連事務総長がネゴNegotiationを鼓舞:SPS 
 パン・ギムーン国連事務総長がモロッコと西サハラ両紛争当事者と隣国や国際社会に向けて、国連とロス国連事務総長個人特使へのさらなる支援を呼びかけた。「ネゴNegotiationの作業再開をスピードアップしなければならない。西サハラ人民の民族自決権を行使させるために、両当事者が納得できる外交解決策を見いだすため、ネゴNegotiationの再開に向けて、2倍以上の努力をしなければならない」と、パン総長はモロッコと西サハラのみならず国際社会をも煽った。「国連解決を待つ西サハラ人民のフラストレーションは、頂点に達している」と、パン総長は付け加えた。 
 
(4)4月10日、米下院議員が大統領候補ヒラリー・クリントンに噛みついた:SPS 
 ジョー・ピット米下院議員が「クリントン財団とクリントン・グローバル・イニシアテイブが受けた、モロッコ燐鉱石輸出会社OCPからの献金は違法だ」と、告発した。最新政治情報によると、OCPはクリントン・グローバル・イニシアティブに1000,000$(約123,000,000円)を献金したとある。ジョー・ピット議員は、「モロッコは20年以上も国連が提唱する和平交渉を拒否し、西サハラを国際法に違反して占領し西サハラ住民を虐待している。あまつさえ、モロッコは西サハラ天然資源を盗掘し続けている。その盗掘燐鉱石を輸出する会社から献金を受けることは、恥知らずだ。国際法と国内法に違反している。クリントンたちは献金を返し、西サハラ難民を支援すべきだ」と、クリントン・グローバル・イニシアティブに抗議の手紙を送った。ジョー・ピットは共和党なので、アメリカ大統領選挙戦のこれから一年半、モロッコ占領地・西サハラが間違いなく頻繁に登場してくる。 
 
(5)4月12日、過激派組織ISが駐トリポリ・モロッコ大使館爆破:BBC 英国TV 
 リビアの首都、トリポリにあるモロッコ大使館前で爆弾が破裂し、大使館の門や止めてあった車が破損したが、怪我人はなかった。大使館はこのところ閉鎖されている。過激派組織ISのリビア支部が犯行声明を出した。過激派組織ISは、国連が仕切る<リビア諸組織のネゴNegotiation会合>に反発していて、そのネゴNegotiatdion会合をモロッコが設定しようとしていたことが、モロッコ大使館爆破テロの理由だという。他国の和解会合を設定する頭があるんだったら、モロッコは、まず、国連が接待している<西サハラ・ネゴNegotiation会合>に参加すべきでしょう?! 
 
 [ラストコロニー LAST COLONY IN AFRICA 西サハラ] を、まず、日本語で出版します。  現地取材と体験に基ずく<読み物風ドキュメンタリー>で、写真もたくさんあって中学生にもわかります。 内容は、第一章:ラストコロニー、第二章:西サハラ独立運動、第三章:国連決議と難民援助、第四章:モロッコ王の方便はおかしいぞ!、第五章:一日も早く国連主催の住民投票へ、、と西サハラ問題を網羅してあります。 写真は伝統的な出で立ちで砂漠をゆく花嫁と花婿、カバーの表紙です。 アルジェリア砂漠の難民キャンプで撮ったものですが、一日も早く故郷の西サハラ砂漠で婚礼行列ができますように、、 
 
 <ネゴを東京で>と東京オリンピックに先駆けて高らかに歌う楽しい本です。 ぜひ読んでください。 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2015年4月14日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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