2015年05月01日13時09分掲載
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人権/反差別/司法
アムネスティ インドネシアの死刑執行に抗議
インドネシア当局は4月28日、適正な法手続きと人権保護措置を度外視した死刑執行を、外国籍者を含む死刑囚8人に対して行った。全員が薬物取引の罪で死刑を宣告されていた。フィリピン人のマリー・ジェイン・フィエスタ・ヴェロソさんも執行されることになっていたが、直前にジョコ・ウィドド大統領の指示で取りやめになった。(アムネスティ国際ニュース)
アムネスティは同国政府に対して、今後の執行計画をすべて取りやめること求める。
今回の執行は、国際的に認められている死刑に関する保護措置を完全に無視していたという点で、最大級の非難に値する。
さらに、今回の執行にはいくつかの大きな問題をはらんでいた。 数人の死刑囚は、審理の際に弁護士や通訳者が付けられなかった。これは国内外が定める公正な裁判を受ける権利の侵害である。
精神疾患を持つ囚人への執行は明確に禁止されているが、死刑囚の1人は、統合失調症と診断されていた。 また国際法では、死刑は「最も重大な犯罪」にあたる場合にのみ適用すべきだとしており、薬物犯罪はこれにはあたらない。
大統領は、今後の執行計画を直ちに白紙にし、死刑廃止に向けた停止措置を命じるべきである。
インドネシアは今年になってすでに14人に死刑を執行し、今後も執行を予定している。
アムネスティ国際ニュース
2015年4月28日
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