2015年06月26日14時09分掲載
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反戦・平和
「政府を批判する沖縄二紙はつぶせ」 安倍首相のお友達、作家の百田尚樹、自民党若手議員をけしかける
安倍首相のお友達で、そのひきでNHK経営委員も務めた作家の百田尚樹氏が25日、自民党若手議員の勉強会で行った講演で言及した沖縄に関する言説が自民党を揺さぶっている。「基地周辺の住民は金目当てで移り住んできた」などと発言したあと、「(政府に批判的な)沖縄の二紙はつぶさなければいけない」など公然と言論弾圧を口にし、安倍フアンの自民党若手議員から「そうだ」などの声が飛び、拍手喝采だったという。さすがに自民党内でもまゆをしかめる人も出てきて、つぶす対象となった二紙の内の一つ、沖縄タイムスは26日の電子版で「百田尚樹氏暴言で江渡前防衛相が謝罪」と速報を出した。(大野和興)
百田氏の発言は、。安倍晋三首相に近い自民党の若手国会議員ら約40人が、党本部で開いた憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」で飛び出した。その発言は、人家の真っただ中にあって世界一危険な軍事基地といわれる米軍普天間飛行場について、「もともとは田んぼの中にあったのを金目当てで住民が集まってきた」など虚偽にまみれたものだった
沖縄の新聞をつぶせという発言は、以下のような流れで出てきた。
「議員から沖縄の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、百田氏は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した」
「出席議員からは、安保法案を批判する報道に関し『マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい』との声が上がったほか、『沖縄は戦後、予算漬けだ。地元紙の牙城でゆがんだ世論をどう正すか』などの批判もあった。」
(以上、沖縄タイムスから引用)
この勉強会は、代表が自民党の青年局長を務める木原稔議員で、首相側近の加藤勝信官房副長官や、萩生田光一・党総裁特別補佐も参加していた。明らかに安倍首相の肝いりであることが分かる。
百田尚樹氏は、市街地に囲まれ世界一危険とされる米軍普天間飛行場の成り立ちを「もともと田んぼの中にあり、周りは何もなかった。基地の周りに行けば商売になると、みんな何十年もかかって基地の周りに住みだした」と述べ、基地の近隣住民がカネ目当てで移り住んできたとの認識を示した。
勉強会に参加した自民党議員から沖縄の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、百田氏は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した。
出席議員からは、安保法案を批判する報道に関し「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい」との声が上がったほか、「沖縄は戦後、予算漬けだ。地元紙の牙城でゆがんだ世論をどう正すか」などの批判もあった。
百田氏の発言は早速国会で問題となった。26日午前に開かれた 衆院平和安全法制特別委員会の理事会で、民主、維新、共産の理事が百田氏らの発言は「マスコミへの圧力であり、言論のへの攻撃だ」などと抗。これに対し、与党筆頭理事の江渡聡徳前防衛相(自民)は26日午前の理事会で「申し訳ない。担当議員に厳重注意する」と謝罪する一幕があった。浜田靖一委員長(自民)も厳重注意する意向を示したと報道されている
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