2015年07月16日15時32分掲載
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【7月15日(水) 安保法制特別委員会締め括り総括質疑 ダイジェスト】(集団的自衛権問題研究会)
7月15日に行われた衆議院安保法制特別委員会の締め括り総括質疑のダイジェストをお送りします。ぜひご一読ください。衆議院で最後となってしまったこの日の質疑を見ても、到底「議論が尽くされた」などと言えないことは明白です。安倍首相自らが「理解は進んでいない」と答弁したにも関わらず、質疑終了後に浜田委員長が質疑の終局を諮り、賛成多数で議決された後、各討論を経て、強行採決が行われてしまいました。この歴史的な暴挙に対して、国会周辺や全国各地で強い抗議の声が上がりました。
【7月15日(水)安保法制特別委員会 締め括り総括質疑 ダイジェスト】
※首相出席、NHK中継なし(信じられません)
中継アーカイブ
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=45133&media_type
◆長妻昭(民主)
「安倍総理、今日強行採決するんですか? 説明が尽くされたと考えますか? 浜田委員長、やるんですか? 今日の採決の撤回を求めます! 時間数を強調するが、後ろから紙が出て、意味のある答弁は少ない」
「答弁は全てバラ色。米国で先に公約した姿勢が問題だ。防衛出動を命じられるのは総理お一人。「我が国に戦火が及ぶことがないのに、日本を侵害する意思がないのに集団的自衛権が行使できる」との答弁すらある」
◆長妻昭
「総理が適切な歴史認識を持っているかは重要であり、安保法制と密接不可分だ。かつて「国策を誤った戦争だったか?」と総理に何度も聞いたが答えなかった。軍人が閣僚になったり、大政翼賛会を作ったりしたのは間違いだったか?」
安倍首相「歴史的事象にいちいち論評するのは避ける」
長妻「安保法制を使い一番重い決断をするのは総理だ。従来の内閣の立場を引き継いでいるなら、先の大戦は誤りだったと認識しているか?」
安倍「歴代内閣の立場を引き継いでいる。同時に地域の平和に貢献するのも我々の信念。今回の法制は戦争を繰り返さないとの立場で作り上げた」
◆長妻昭
「先の戦争は間違いだったと考えるか?」
安倍「今の国民が指導者が言えば烏合の衆のように従うというのは国民に失礼だ。私は国民の英知を信頼している。我々は先の大戦の反省のうえに日本を作ってきた。しかし、国際情勢の変化をどうとらえるかという問いから逃れられない」
◆大串博志(民主)
「強行採決は国会にあるまじき行為だ。総理が言う通り、国民は的確な判断力を持ち「反対」「違憲」「よくわからない」と言っている」
安倍「理解が進んでいないのは事実で、進むように努力するが、国民の命や幸せを守り抜く責任も付託されている。60年安保やPKO法などに際にも理解は進まなかった」
◆大串博志
「総理のように「俺たちの判断だから正しい」というのは極めて上から目線だ。菅官房長官は「ダラダラ続けてはいけない」と言ったが、ダラダラと議論をしているのは政府の方だ。総理らは答弁に詰まり、104回、計4時間24分も審議が止まった」
◆大串博志
「昨日も日比谷野音に2万人を超える人が集まった。女性やシールズなど若い世代も将来を心配して立ち上がっている。学者や学識者、地方議会も300近くが「慎重」「反対」の意見書を提出した。世論調査でも反対が過半を大きく超え、審議が尽くされていないが8割だ。閣僚からも「理解が進んでない」との声が出ている」
◆大串博志
「総理答弁は二転三転している。米艦への攻撃でも存立危機事態の認定が「発生」から「明白な危険」に。「存立危機武力攻撃」が何かが不明確だ。重要な点が二転三転していることに反省はないのか?」
安倍「誤解だ。米国への攻撃が発生し我が国への攻撃が切迫し、米艦攻撃の明白な危険がある事だ。二転三転していない」
◆辻元清美(民主)
「澤地久枝さんが、この「アベ政治を許さない」との紙を掲げようと呼びかけている。総理は見たことはありますか?」
安倍「報道で見た」
辻元「自民党のカフェスタの動画が削除された」
安倍「海賊対処法に民主が反対した点について、船に辻元議員が乗っていたと言ったのは間違いだった」
◆辻元清美
「「安倍疲れ」との言葉もある。ダラダラと言い訳するのではなく、謝るべき時に謝るべきだ。自分の言いたい事さえ言っていれば政治が前に進むというのは改めるべき。国民は憲法、国民主権、民主主義、そして戦後平和主義の「存立危機事態」だと思っている。アベ政権ではなくアベ政治をトータルに許さないと言っている」
◆辻元清美
「この委員会は私へのヤジから始まって、私へのデマで終わらせようとするのか。個人の話ではなく、国民に対して非常に軽率であり不誠実だ。この期に及んでダラダラ言い訳するのは認められない」
◆辻元清美
「岸田外相は「拘束された自衛隊員はジュネーブ条約上の捕虜として扱われない」と答弁したが、総理は3月、「軍人として扱われなければテロリストとして扱われる」と答弁した。総理の論理なら自衛隊はテロリストとして扱われるのか?」
岸田「捕虜として扱われないが直ちに解放を求める。我が国の行為は違法行為ではなく適法行為でありテロリストではない」
◆辻元清美
「イラク派遣時の黒塗り資料が出ないと審議できない。要求しても出てこない。出してもらうまで質問できない」
中谷大臣「全面開示の方向で検討中だ」
辻元「全部出ないと質問できない。出ないと採決できないということでいいか?」
浜田靖一委員長「そうではない。理事会で検討していく」(騒然)
◆辻元清美
「総理は「侵略戦争に加担する事は絶対ない」と言いながら、「侵略戦争の定義は定まっていない。見る側で違う」と言った。どうやってあなた自身が判断するのか?」
安倍「国際法的に定かでないのというのは政府の一貫した立場だ」
辻元「過去の戦争を国策の誤りと判断できない人に安保法制の判断ができるのか」
◆辻元清美
「憲法違反の法律を見過ごすのか。憲法99条の憲法尊重義務に違反しないように、歴史に恥じぬように、総理は勇気をもって法案を撤回すべきだ。それが総理にできる国民の声を聞く最大のことだ」
◆下地幹郎(維新)
「何をもって充実した審議とするのか?」
安倍「委員会として充実したとご判断される時だ」
下地「国民が審議を聞いて納得したかどうかだ」
「独自案には党内でも「与党をアシストする」との懸念があったが、それを出すのが本当の野党だ。独自案の審議が3回での採決はおかしい」
◆青柳陽一郎(維新)
「中央公聴会で与党推薦の村田(晃嗣)公述人は「地方議会からも懸念の声が。安保、外交は東京だけの問題でなく、日本全体で深く議論すべき。地方でも議論できる環境整備を」と述べた。地方議会の理解は進んでいるか?」
安倍「理解得る努力は重要だが、国会の大きな責務もある」
◆青柳陽一郎
「東京新聞によれば、地方議会の意見書は「反対、廃案」が124件、「慎重」が168件、「賛成」は5件のみだ。中谷大臣の地元の高知県馬路村でも全会一致で「法案の制定の中止」を求めている。それでも数の力で押し切り、修正もせず採決するのか?」
◆赤嶺政賢(共産)
「『イラク復興支援行動史』の黒塗りの資料が未だに提出されていない。いつまでに出すのか?」
中谷「理事会の指示に従い検討する」
赤嶺「だったら今、理事会を開いてほしい」「イラク空自派遣の教訓の資料はいつ出るのか?」
中谷「開示の検討中であり速やかに結論を得たい」
※この後、赤嶺議員が17日に委員会を行う動議を提出したが、起立少数で否決。直後に怒号の中、浜田委員長が各法案の質疑の終局を採決。起立多数。各案の採決前の討論に。自民党の御法川信英、柿沢未途、濱地雅一の各議員が討論。その後、野党議員が議長を囲み、多くの議員がプラカードを掲げ怒号が飛び交う中で浜田委員長が12時26分頃に強行採決。
※上記の強行採決に至る流れは、
このアーカイブの赤嶺政賢議員の部分のうち、28分頃から最後まで。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=45133&media_type
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<特別版 第17号(7月13日の中央公聴会録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=316
<特別版 第16号(7月10日の集中質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=311
<特別版 第15号(7月8日の一般質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=308
<特別版 第14号(7月6日の埼玉参考人会質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=304
<特別版 第13号(7月3日の集中質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=297
<特別質疑版 第12号(維新独自案発表と研究会声明)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=290
<【声明】[維新独自案]法案の修正ではなく、閣議決定の見直しを>
http://www.sjmk.org/?page_id=283
<特別版 第11号(7月1日の参考人質疑・一般質疑録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=278
<維新「独自案」に関わる3つの論点>
6月29日 川崎哲(集団的自衛権問題研究会代表)
http://www.sjmk.org/?page_id=265
<特別版 第10号(6月29日の審議録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=275
<特別版 第9号(6月26日の審議録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=255
<特別版 第8号(6月22日の参考人質疑録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=251
<特別版 第7号(6月19日の審議録など)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=247
<特別版 第6号(6月15日の審議録など)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=241
<特別版 第5号(6月12日の審議録など)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=239
<2つの政府見解に関するコメント>
6月10日 川崎哲(集団的自衛権問題研究会代表)
http://www.sjmk.org/?page_id=217
<特別版 第4号(6月10日の審議録など)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=226
<特別版 第3号(政府見解等を掲載)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=207
<特別版 第2号(6月5日の審議録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=187
<特別版 第1号(6月1日の審議録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=136
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発行:集団的自衛権問題研究会
代表・発行人:川崎哲
News&Review特別版 編集長:杉原浩司
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◆発売中の『世界』8月号に当研究会の論考が掲載されています。
ぜひご一読ください。
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◇『世界』7月号、6月号にも論考が掲載されました。
http://www.sjmk.org/?p=194
http://www.sjmk.org/?p=118
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