2015年07月18日18時50分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201507181850056

反戦・平和

戦後70年という節目&安全保障関連法案が可決・成立しそうな今こそ、改めて戦争がもたらす悲劇を見つめ直してみませんか 〜ドキュメンタリー映画「“記憶”と生きる」上映中〜

 日本軍「慰安婦」だったハルモニたちの生活を日本人フリージャーナリストがビデオカメラで記録したドキュメンタリー映画「“記憶”と生きる」が東京・渋谷の劇場「UPLINK」(アップリンク)で上映されています。今後、佐賀県や愛知県、神奈川県等でも順次上映される予定です。 
 
 韓国の首都ソウルから南東約30kmにある京畿道広州市はずれの静かな村に、元日本軍「慰安婦」として被害を受けたハルモニたちが共同生活する福祉施設「ナヌム(分かち合い)の家」があります。そこで暮らしていた6人のハルモニが、自分たちの人生について話してくれます。「暮らしていた」と過去形を使うのは、この映画に登場するハルモニたちはもうこの世にいないからです。この映画は、日本軍「慰安婦」問題の解説や史実の検証ではなく、ハルモニたちの語りをそのまま記録したものです。 
 
 踊ったり歌ったり喧嘩したり・・・そして過去を思い出して涙を流すハルモニ。「もう過去のことは忘れて生きたい」と話すハルモニもいれば、「自分たちがいたという証を残したい」と話すことハルモニもいます。戦争を知らない20代の私には衝撃的な話ばかりです。ハルモニたちが何故慰安婦だった過去を公表せざるを得なかったのか、その気持ちも少しだけ理解できた気がしました。そして、村山内閣時代に発足した「アジア女性基金」(財団法人女性のためのアジア平和国民基金)からの償い金受け取りについて議論している場面からは、ハルモニたちの複雑な思いが伝わってきます。 
 
 戦争を体験した方々がどんどんこの世を去り、戦争がもたらす悲劇を聞く機会がどんどん減りつつある今、平和の大切さ・ありがたみを改めて考えさせられる貴重な作品です。日本が戦争のできる国へと歩みつつある中、これから生まれてくる世代に「戦争はダメ!」と教え続けるためにも、こうした記録映像を後世に伝えていくことが重要だと思います。 
 
 上映情報は、以下のウェブサイト 
 
http://www.doi-toshikuni.net/j/kioku/index.html 
 
をご覧ください。(高木あずさ) 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。