2015年07月21日09時18分掲載
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反戦・平和
「かならず変わる」 熊沢誠(甲南大学名誉教授)
膨大なフェイスブックの投稿にすぐ埋もれてしまったけれど、安保法案反対デモに参加したある女子学生──たしか和光大学生だったと思う。誰か記憶ありませんか?──の思いにふれて深い感銘を受けた。
彼女は中学時代、式典での「君が代・日の丸」を拒んで処分を受けた教師の姿に心を動かされた。しかし長らく行動に参加できなかった。彼氏の手前もあって、KY(空気が読めない)とみなされるのがいやだったからだ。だが、やがて、日本で「KYでない」とは自分の意志を表明しないことだと気付かされた。そんなのいやだ、私はいま動くという。
街頭でビラまきをすると、KYとみなされることへの若者の怯えは本当によくわかる。「戦争する国に戻すな」 訴えるのは「どうせ共産党かそのシンパのおじさん・おばさん」とやはりKYぎらいの「大人」も言いたがる。そんな街頭でのよびかけに応じるのはKYなのだ。とかく能面面をそむけるのは男性、わずかに表情が動いてもカップルの若い女性は「彼氏の手前」もあって通り過ぎる。私たちがこれから鍬入れすべきは、慣れ親しんできたこのKYへの怯えだろう。それこそが反動内閣の暗黙の支持になる。
だが、この雰囲気は、かならず変わる。
熊沢誠 (甲南大学名誉教授・労使関係論)
※ 上の文章は熊沢教授の了解によるFacebookページからの転載です。
著書に以下。
『能力主義と企業社会』岩波新書:1997年
『リストラとワークシェアリング』岩波新書:2003年
『若者が働くとき――「使い捨てられ」も「燃えつき」もせず』ミネルヴァ書房 :2006年
『格差社会ニッポンで働くということ』岩波書店:2007年
『働きすぎに斃れて──過労死・過労自殺の語る労働史』岩波書店:2010年
『私の労働研究』堀之内出版:2015年
など
■「まだ廃案に追い込める」 〜地方の動きから〜 熊沢誠(甲南大学名誉教授・労使関係論)
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