2015年07月30日09時01分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】オバマ、リビア、AUアフリカ連合、ラストコロニー 平田伊都子
「尊厳、これが民族や出身地を越えた全人類の基軸で、一番崇高なものだ。ここアフリカでは奴隷制度と植民地主義が尊厳を踏みにじってきた。我々は非尊厳と従属を望まない。我々は我々自身が選択して我々自身の未来を決めることを望んでいる」と、オバマ・アフリカ・アメリカ大統領は、歴史的なAUアフリカ連合本部訪問での演説で、<民族自決権>が優先事項であることを強調しました。 オバマがアメリカ大統領として初めてエチオピアの首都アジスアベバにあるAUアフリカ連合本部を訪れた2015年7月28日<国際
肝炎記念日>には、ソマリアでテロあり、トルコの空爆あり、カダフィ三男の死刑判決ありで、世界中がお祭りみたいに派手でした。
(1) オバマ・アフリカ・アメリカ大統領とアフリカの人々:
015年7月23日、ホワイトハウスでのBBCインタヴューで、「AUアフリカ連合本部は2012年に中国が2億ドル出資して新設された。中国に較べアメリカは遅れをとっているのでは?」というジョン・ソぺル記者の質問に、オバマは「中国がアフリカを援助するのは、結構なことで歓迎する」と、答えた。また、「ケニアのキリスト教団体が同性婚を口にしないでくれといってるが?」との質問には、「私は言いたいことを言う」と予告し、ケニアでは公然と同性婚支持を表明した。これに対してケニア大統領ケニヤッタは「アフリカには我々自身の考えと慣習がある」と同性婚に反対し、オバマは「不賛同に賛同する」と、返した。
(2) AUアフリカ連合を創ったのは誰だ?:
Uアフリカ連合の前身はOAU(アフリカ統一機構)で、1963年5月25日、アフリカ諸国の独立を支援し、連帯を強めるために創設された。OAU提唱者はエチオピア皇帝ハイレ・セラシエとギニア大統領セク・トゥーレで、エチオピアの首都アジスアベバに本拠を置いた。 1982年にOAUが、西サハラ難民政府が創ったRASD(サハラ・アラブ・民主共和国)を正式加盟国に承認したことに反発して、モロッコは1984年にOAUから脱退した。 そして、モロッコは脱退したまま、現在に至っている。
1999年9月9日、生まれ故郷シルトでカダフィは、約50人のアフリカ首脳陣を前に、「ワーヒダ.アフリキーヤ!(アフリカは一つ)」と拳を振り上げ連呼した。 2002年7月9日には、OAUを発展させて、カダフィは念願のAUアフリカ連合を創った。
(3)駐エチオピア・アメリカ大使館の情報:
ルー・アメリカ財務長官とUSAID(アメリカ国際開発庁)のアルフォンソ実務長官とが、オバマAUアフリカ連合本部訪問の露払いのため、アジスアベバに先乗りした。7月14日、アジスアベバのアメリカ大使主催の第3回国際経済開発会議ではEUの資金援助を得て、<アフリカ電力開発の覚書>にサインをした。
そして、7月28日、AUアフリカ連合マンデラホールで、オバマ・アフリカ・アメリカ大統領は、「アフリカで、6千万以上の家庭と 職場に電気を送る」と約束した。
(4)アフリカ54か国加盟のAUアフリカ連合で:
「終身大統領になろうだなんて、欲たけてはいけない」と、同じ演説の中でオバマ・アフリカ・アメリカ大統領は苦言を呈した。会場にいた大部分のアフリカ大統領は、長期権力者たちだ。そしてオバマ・アフリカ・アメリカ大統領は、「事実、私はなかなかいいアメリカ大統領だと思う。もし私がアメリカ次期大統領選挙に出たら勝つ。が、できない」と、国の法律が決めた任期を遵守するよう促した。
ラストコロニー西サハラから参加していた、駐エチオピア西サハラ大使館オマル一等書記官は苦笑いした。西サハラ難民大統領も40年近く、国連住民投票を待たされたまま、その職にあったからだ。
‘(5)サハラ難民を助けたカダフィ:
1972年、できたばかりの西サハラ難民政府代表を初めて国賓として受け入れたのは、リビアのカダフィだった。
2015年7月28日、カダフィの三男サイフ・アルイスラムが、とあるリビア法廷で死刑判決を受けた。30人以上が、2011年の<リビアの春>内戦でカダフィ側についたことを理由にこの法廷に起訴されていた。が、サイフを拘束しているジンタン市の私兵は、サイフを法廷に渡さなかった。この法廷は9人に死刑判決をくだしたが、サイフやカダフィの甥で情報長官だったアブドッラー・サヌーシーなどは欠席した。イラク戦争直前、トリポリ空港にマークの付いていない飛行機でフランスから帰国したサイフは、筆者に、リビア経済の解放と民主化の夢を語っていた。が、内戦では親父のカダフィと共に戦い、カダフィはオバマ政権のヒラリー・クリントン国務長官(当時)の命令で惨殺された。
リビアを崩壊しカダフィを殺したヒラリーさん、、リビアのベンガジ事件やメール機密漏洩で窮地にあるヒラリーさん、、まさかサイフの口を封じようとしているのでは?
ヒラリー・クリントンはモロッコ王からクリントン財団に入金してもらって、はっきりと、「南サハラはモロッコ王の物」と認めています。 モロッコもクリントンも<西サハラ>を、<モロッコの南にあるサハラ=南サハラ>と、呼んでます。 2017年の新アメリカ大統領が誰になろうと、オバマ・アフリカ・アメリカ大統領のように親身になって人権問題を扱ってはくれません。
モロッコ占領軍に人権を侵され、民族自決権を求める西サハラの人々がアメリカを頼みにするのなら、オバマ在任中だと認識している筈です、、
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2015年7月30日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
写真提供:AUアフリカ連合
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