2015年08月25日14時19分掲載
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TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉、前のめりの日本だけが浮き上がってまるでピエロみたいだ 山下惣一
TPP漂流の可能性が高くなってきた。
オバマ大統領はここに至って「基準を満たさない合意には署名しない」と言明し、米国内では
例え連邦政府がTPPに合意しても「TPP除外」を宣言する自治体が広がっていると報じられている。
合意に積極的に前のめりだった日本だけが浮き上がってまるでピエロみたいだ。
日本の農政はすでにTPPを前提に、TPPを奇貨として国内の農政大改革を“しっかりと”“切れ目なく”進めている。
10年後には農地の8割を担い手に集積するなど4つの目標を掲げ「農地中間管理機構」を新設し、農業委員数を半減し、削減した同数を新たに「農地利用最適化推進委員」にするという。担い手とは認定農業者、集落営農、農業法人、参入企業であり、小規模家族農業すなわち「百姓」は入っていない。
つまり、TPPは合意に至らなくても、日本はこれまで合意した部分は着実に実行するので離農者が加速度的に増えると予想される。そのための農政が現下の農政改革といいうわけだ。認定農業者や法人を大きく強くして輸出、加工、観光等と組み合わせて農業を成長産業にすると掛け声は勇ましいが、果たしてどうか。規模拡大した事業体が経営破綻したらその次の受け皿はどうなるのか。
小学生にでもわかる理屈だ。百姓にとっても正念場である。
(百姓、TPPに反対する人びとの運動共同代表)
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