2015年09月06日13時11分掲載
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反戦・平和
【集団的自衛権問題研究会】河野統幕長に「君の発言かと聞いたのか」
9月4日に行われた参議院特別委員会の一般質疑のダイジェストをお送りします。今回の質疑では、河野統合幕僚長の会談記録の問題が繰り返し追及されました。中谷大臣は「調査中」を繰り返しましたが、7日月曜には存否を報告することになりました。いずれにしても極めて重大な問題であり、河野統幕長の国会招致が求められます。(集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第32号)
次回は8日(火)午後1時から、4人の参考人を招致しての参考人質疑が行われ、終了後に維新の党が追加提出した2法案の趣旨説明(数分)が行われます。合計で3時間50分程度の予定です。
与党は14日の週の初めに中央公聴会を入れて、16日の委員会採決、17日の本会議採決・成立を軸に日程を描いているとも報じられました。自民党総裁選の行方も絡んで、ぎりぎりの局面となります。しぶとく監視と行動を続けていきましょう。
蓮舫氏「大臣が命令を」“幕僚長会議録”で審議紛糾(9月4日、テレ朝News)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000058125.html
イラク派遣可能か明言せず(9月4日、TBS Newsi)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2579864.html
安保法案「強引な採決阻止」 野党6党首一致(9月4日、TBS Newsi)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2579425.html
首相と自民幹事長、安保法案の早期成立方針を確認(9月4日、日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE04H0J_U5A900C1PP8000/
「集団的自衛権行使は違憲」 山口繁・元最高裁長官(9月3日、朝日)
http://www.asahi.com/articles/ASH9255ZGH92UTIL02Q.html
首相のテレビ出演、参院委員長が不快感 安保法案の審議中(9月4日、日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS04H5T_U5A900C1PP8000/
特集ワイド:続報真相 安保法案、これだけの危険(9月4日、毎日夕刊)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150904dde012010003000c.html
【資料】参議院安保法制特別委員会(計45人)メンバーの要請先一覧
http://www.sjmk.org/?page_id=349
※ファックス、電話での要請にお役立てください!
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【9月4日(金)参議院安保法制特別委員会 一般質疑ダイジェスト】
※4時間、首相出席なし、NHK中継なし
ネット中継アーカイブ
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
※カレンダーの日付(4日)をクリックしてご覧ください。
◆蓮舫(民主)
「河野統幕長の会談記録の存否はわかったか?」
中谷大臣「現在、防衛省が作成したかを含めて調査中だ」
蓮舫「あったかなかったかの確認になんで2日もかかるのか?」
中谷「現在、調査中」
蓮舫「統幕長に会ったか?」
中谷「はい。会って話を聞いた」
蓮舫「自分の発言と認めたか?」
中谷「会談は内容の公表が前提で行われたのではなく、具体的内容はお答えを差し控える」
◆蓮舫「君の発言かと確認したか?」
中谷「資料の内容に関わる。現在、調査中だ」「内容の公表が前提ではなく、相手方との関係もありお答えを差し控える」
蓮舫「統幕長の発言かどうか確認したか?」
中谷「中身について話を聞いたが、外国とのやり取りは相手方との信頼関係がある」
蓮舫「発言の中身に問題があると認識したか?」
中谷「中身を精査中でありお答えを控える。内容等を一部始終確認したわけではない」
◆蓮舫
「幕僚長は「E2Dグローバルホークの導入を決めた」と述べ、米軍幹部は「このような決定を耳にして嬉しく思う」と。この時点で予算は認められていたか?」
中谷「中期防(中期防衛力整備計画)で4機を導入と。昨年11月21日にE2Dを選定した」
蓮舫「予算は1月14日に初計上され、4月9日に成立した。提出も予算も決まっていないのに言明してやり取りした。これは財政民主主義の否定だ」
◆蓮舫
「早く存否を認めるべきだ。本物だった場合、国会軽視、文民統制違反、大臣までコケにされたということだ。いつまでに出すか?」
中谷「できるだけ早期に」
鴻池委員長「今まで報告がないのは極めて遺憾だ。来週月曜には必ずまずは私に存否の報告をしてほしい」
中谷「できるだけ来週早くに」
蓮舫「本来委員長が言うものではない。大臣が部下に命令するものだ」
中谷「そうします」
◆蓮舫
「米軍等の武器等防護の自衛隊法95条の2に安全確保の規定はあるか?」
中谷「「現に戦闘現場で行われるものを除き」とあり、戦闘行為に対処することはない。自衛隊員の安全確保に資する」
蓮舫「大臣は「重要影響事態法の危険回避措置が95条の2にかかる」と答弁した」
中谷「重要影響事態法に規定はないが、「我が国防衛に資する活動」だからだ」
蓮舫「全く答弁に整合性がない」
◆蓮舫
「大臣は「国や国に準ずる組織からの攻撃には武器使用できない」と答弁したが、5月の統幕内部資料には、アセット(平時の)防護で「自衛隊員が武器等防護のための武器使用が可能となる」と明記されている。どちらが正しいのか?」
中谷「幅広い分析・研究の観点からあえて極端な例を示したものだ」
◆蓮舫
「第三国が攻撃した場合の武器等防護は集団的自衛権の行使になり、武力行使との一体化になる。最も研究していけない事例だ」「飛んできたミサイルしか見えない現場自衛官は(それがどんなケースか)どう判断するか?」
中谷「判断は基本的に現場指揮官だ。幅広い観点では大臣が事前に指示する」
蓮舫「政府が判断する規定はなく、ほとんど裁量で政府が決定する。95条の2は憲法に抵触する可能性が高い。廃案にすべきだ」
◆小西洋之(民主)
「山口繁元最高裁長官は朝日新聞のインタビューに「違憲と言わねばならない。憲法9条の解釈は規範へ昇華した。9条改正が正攻法だ。政府が何を言っているか理解できない」と述べている。最高裁長官は「憲法の番人」であり、立憲主義を守る砦だ。山口元最高裁長官の発言は間違いか?」
中谷「現役を引退された一私人の発言にはコメントしない」
横畠長官「いちいちコメントしない」
菅官房長官「防衛大臣が答えた通りだ」
◆川田龍平(維新)
「「NGO非戦ネット」をはじめ、多くのNGOが法案に反対している。駆けつけ警護を要請しているNGOはあるのか?」
中谷「個別のNGOからの要請を確認したことはない。過去に緊急救助の要望を表明した団体はある」
川田「名前をあげられないのは存在しないも同じだ。JVC(日本国際ボランティアセンター)スーダン代表の今井さんは「自国民を救出する軍隊派遣が逆に危険にさらす結果になる」と述べている」
◆井上哲士(共産)
「河野統幕長の会談記録を首相らが知っていたなら政府ぐるみで国会を欺いたことになり、知らなければシビリアンコントロールを逸脱する。昨日統幕長は記者会見で「間違いか」と聞かれ「それも含めて調査中」と答え、「間違いだ」とは言わなかった。同じことを大臣も聞いたか?」
中谷「防衛省が作成したか否か、真偽を調査中で本人に直接どうだったかは尋ねていない」
井上「統幕長に聞いていないのか?」
中谷「話をしたが会話の中身まで聞く時間がなかった」
井上「基本的なことすら聞いていない」
中谷「他国とのやり取りを含むので慎重に調査中だ」
井上「文書の存否を聞いている。アメリカの許可がないとできないのか。どこの国の政府か?!」
◆井上哲士
「与党勝利により夏までに終了」との発言は確かめたのか?」
中谷「お答えは差し控える」
井上「統幕長は会見で「自民が圧勝したので与党が成立を目指しているだろうと」「成立の可能性が高いと認識」と述べ、事実上発言を認めた。組閣の前、与党協議もしていない時に「夏までに終了」と。一体どういうことか。問題だと思わないのか?」
◆井上哲士
「統幕長が述べた「ジブチの海外拠点の拡大」は政府方針か?」
中谷「平成25年の(防衛計画)大綱で利用状況を踏まえて調査費を盛り込み検討するとしている。海賊対策以外にも、南スーダンPKOへの物資輸送などでジブチを利用している」
井上「南スーダンPKOへの輸送実績は?」
深山運用企画局長「空港を4回使用した。あと2回は自衛隊機を利用。平成25年11月、26年5月、12月、27年5月にC130輸送機2機で1〜2日当地に滞在した」
◆井上哲士
「(ジブチを)海賊対策の拠点と言いつつ、既に他にも使用している。「特に念頭において検討しているわけではない」との大臣答弁と全然違う。どうなっているのか?」
中谷「平成25年大綱で「一層の活用へ検討」と」
井上「活用の検討と強化は違う。実際に利用しており、先取りで進むのは極めて重大だ。河野統幕長の国会招致を改めて求める」
◆水野賢一(無ク)
「他国の要請文は公表するのか?」
中谷「対処基本方針に要請があったことを書く」
水野「PKOで外務省は要請文を全く公表していない」
岸田「要請文は相手国との関係で明らかにしていない」
水野「安保法制懇は「明示的な要請を要件にすべき」と書いている。法案には抜けており、欠陥法案だ」
◆吉田忠智(社民)
「河野統合幕僚長の訪米時の発言は、立法府の無視、シビリアンコントロールの無視であり、証人喚問に値する。来週の報告を聞いて、しっかり理事会で議論してほしい」
◆吉田忠智
「台湾海峡有事は重要影響事態、存立危機事態に当たるのか?」
中谷「個別の事例に即して客観的かつ合理的に判断する」
吉田「はっきり答えてほしい」
中谷「特定の国を念頭に置いていない。我が国の存立に重要な影響を与えるかどうかで判断する」
吉田「横畠長官はどうか?」
横畠「法は規範だ。実際の対応は個別に合理的に判断する」
吉田「見解を整理して提出を」
◆山本太郎(生活)
「中谷大臣は元自衛隊員でレンジャー部隊の教官をされた軍事のプロだ。総理の発言の採点をしてほしい。「ハイテク装備で固めたプロ集団であり、短期間で採用する徴兵制では、精強な部隊は作れない」はどうか?」
中谷「そういう傾向はますます強まっている」
山本「100点じゃないと困る」
◆山本太郎
「元陸自レンジャー隊員の井筒高雄さんから発想を得て質問したい。自衛隊員の年齢構成はピラミッド型からビール樽型へ変わってきた。底辺の「士」、若年層が減っている理由は何か?」
中谷「「士」は2年、4年、6年の任期制で退職する。試験を受けて「曹」になる」
◆山本太郎
「会社で言えば平社員でピラミッドの底辺の「士」の雇用形態は、非任期制の正社員と2年、3年の任期制とがある。3月31日時点で、1年前より非任期が980人減り、任期制は2329人増えた。その原因は、自然に減ったか、わざと減らしたのか。閣議決定から戦争法案に至ることで続けることのハードルを上げてしまったからか、コストを減らし非正規を増やしたいのか」
◆山本太郎
「超ハイテク装備で固めたプロ集団の米軍は、年21万人をリクルートし、3分の1が高卒の若者だ。約4ヶ月の訓練で素人の州兵までイラクに派兵。また、デンマークは10日間の訓練でアフガニスタンのヘルマンド州へ派兵。占領地域の拡大や治安維持のために必ず地上部隊の派兵が必要になる。総理の発言は詭弁ではないか?」
◆山本太郎
「元統幕長は「イラク派遣で棺を持ち込んだ」と。今後の派遣でも棺を持ち込むのか?」
中谷「昨日もジブチから隊員が帰国した。優秀で誇りを持っている」
山本「全く答えていない。数々の派遣で用意された棺の数を出してほしい」
◆山本太郎
「政府は覚悟ができているのか、命の重さを感じているのか。自衛隊員はもしもの時にいくら出るのかを気にしている。一般雇用契約では許されない勤務変更だ。24万人の自衛隊員にもう一度、服務の宣誓を取り直すか?」
中谷「各級指揮官は命を預かりながら勤務している。今からやり直すまでもない」
山本「専守防衛で入った自衛隊員への裏切りだ。廃案しかない」
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<特別版 第31号(9月2日の参院一般質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=401
<特別版 第30号(8月26日の参院一般質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=399
<特別版 第29号(8月25日の参院一般質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=395
<特別版 第28号(8月21日の参院集中質疑録はこちら>
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