2015年09月23日06時25分掲載  無料記事
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世界的作家ヤスミナ・カドラの新作小説はカダフィの最期の日を描く

  ヤスミナ・カドラと言えばアルジェリアの作家で、世界的に読まれているベストセラー作家である。日本でも何冊か翻訳がある。「カブールの燕たち」(2002)、「テロル」(2005)、「昼が夜に負うもの」(2008)など、いずれにしてもイスラム世界の最前線の過酷な現実に想像力のメスを入れてきた作家であり、読者がページを次々とめくりたくなるエンターテイナーでもある。アルジェリア軍の元指揮官で、妻の名前で変名で小説を書いていたことでも著名だ。 
 
  そのカドラの新作小説は’La derniere nuit du Rais’(ライスの最期の夜)という小説で、カダフィの最期の日を描いたものらしい。アルジェリア軍のインテリジェンスでもあったカドラだけに、その小説には日本人にとっては未知の情報や、意表をつく現実が描かれているのかもしれない。そもそもカダフィ大佐の死に関しては処刑前の短いビデオ映像など、謎めいた断片が紹介されるだけで、謎は深まるばかりである。 
 
  フランスのジャーナリスト、カトリーヌ・グラシエのノンフィクション、「サルコジ・カダフィ」では大統領の密命を帯びたらしいフランス軍特殊部隊とカタール軍がカダフィ殺害のために送り込まれ、一方、ロシア軍とアルジェリア軍がカダフィ一家を守るために同じくリビアに送り込まれていたという証言が紹介されている。筆者はカドラの新作を未読だから詳細は不明だが、カダフィ大佐をモデルにした人物の内面にメスを入れているらしい。 
 
  フランス24で早速にも報道され、注目が集まっている。もちろん、小説としてどうかは読んでみないとわからないのだが。 
 
 
■カダフィの検死が日曜行われた 死因は頭部への銃撃 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201110240240291 
 「検死はカダフィ大佐の死体が公開されているMisrataで行われた。検死結果を発表したのは病理医のOthman al-Zintani医師だ。しかし、医師はそれ以上のデテールについては触れなかった。死体は商店街の商業用冷蔵庫を使って冷やしているという。」 
 
■カダフィの死をめぐるニュース  フランスの新聞・雑誌から 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201110210905105 
 「カダフィ大佐の死が世界で報じられている。フランスのルモンド紙は「写真とビデオがカダフィの死を映す」と題して、その最期についてレポートしている。というのは、カダフィ大佐の最期についてまだ不明な点が多く、正確な情報をより分け分析する必要を感じていたからだと同紙は書いているが、その一因としては今年5月にビン・ラディンの死が報じられたとき、フォトモンタージュで偽造された写真が出回ったことがあったからだ。」 
 
■カトリーヌ・グラシエ著「サルコジとカダフィ〜機密の裏切りの物語〜」 
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