2015年10月01日13時39分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】国連総会一般討論演説で西サハラ支援 平田伊都子
2015年9月28日から第70回国連総会一般討論演説会で各国の首脳が、アピールしました。 その中で、アフリカの首脳たちが<西サハラ紛争>の早期解決と<西サハラ民族自決権>の早期行使を強く要請しました。 先進国の首脳たちが姦しく自己主張をし外交取引をする中で、他の民族の自由と解放を願う一途な首脳たちの言葉は爽やかです。
「みんなストレンジャー(よそ者)だった」と、オバマが、「みんなフォリナー(外国人)だった」と、ローマ法王が言ってます。日本では、「袖振り合うも他生の縁」という言葉があります。
以下に、演説の順番に、ナイジェリア大統領、南アフリカ大統領、ジンバブエ大統領、ナミビア大統領、タンザニア大統領の言葉を紹介します。
(1) ムハンマド・ブハリ・ナイジェリア大統領:
2015年9月28日、国連総会一般討論演説でナイジェリア大統領は、「創設70年を迎えた今、我々、国際社会は創設時の国連憲章と国連精神を深く思い起こさねばならない。その中でも、平和共存と民族自決権が蔑ろにされている。特に顕著な未解決問題はパレスチナと西サハラにおける人々の人権侵害と民族自決権不履行だ。我々国際社会は、これ以上遅れることなく障害を取り払って、この占領問題を解決すべきだ」と、強調した。
(2) ジェイコブ・ズマ・南アフリカ大統領:
9月28日、国連総会一般討論演説で南アフリカ大統領は、「南アフリカは変わらず、西サハラの人権と自由と独立を支持する。と同時に、我々は国際社会に、西サハラの人々が彼ら自身の民族自決権と自由と人権と尊厳を求めて戦っていることを理解し支援するよう、強く要望する」と、国連加盟諸国を鼓舞した。南アフリカはアルジェリアやナイジェリアと共に、西サハラの独立運動を物資的に精神的に援助し続けている。
(3) ロバート・ムガベ・ジンバブエ大統領:
9月28日、国連総会一般討論演説でジンバブエ大統領は、「我々は、西サハラの人々の基本的人権を無視している国際社会に対して、強い懸念を表明してきた。今こそ国連は、西サハラの脱植民地化に向けて、早急に行動を起こさなければならない」と、国連憲章や国連決議に謡われている<脱植民地化>の早期実現を求めた。ムガベ大統領は今季のAUアフリカ連合議長で、アフリカ最後の植民地・西サハラの開放を目指している。
(4) ハーグ・ガインコブ・ナミビア大統領:
9月29日、国連総会一般討論演説でナミビア大統領は、「西サハラ人には世間の人々と同様に、民族自決権と国家独立を謳歌する権利がある。我々は、国連安保理と国連総会が早急に<国連西サハラ住民投票>を施行するように、国連参加各国が働き出すことを促す」と、国連西サハラ住民投票の早期実施を要請した。
(5) ジャカヤ・キクウェテ・タンザニア大統領:
9月29日、国連総会一般討論演説でタンザニア大統領は、「国連自らが決定したにもかかわらず実行されていない懸案事項があるのは、残念だし納得できない。その一例である西サハラの人々は、自らの運命と未来を国連に託して、17年(?)以上という長期にわたって苦難の生活を強いられてきた。国連はこの問題に終止符を打てるだけの、十分な経験と時間をかけてきたはずだ」と、西サハラ問題の早期解決を国連加盟国に促した。
2015年9月30日、晴れてパレスチナ国旗が国連で掲揚されました。 おめでとうございま〜す! しかし、パレスチナ国旗に似た西サハラ国旗はまだ翻っていません。 だから、西サハラ国連代表や西サハラ外務大臣には、パレスチナのように国連総会での発言は許されていません。 でも、国連総会場の周辺で、<国連西サハラ住民投票>実現に向けて国連ロビー活動を必死にやってます。
「Prey for meプレイ フォー ミー(私のために祈ってください)」とは、国連を去る時にローマ法王が残した言葉です。 西サハラ難民を代弁して、あなたに贈ります。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2015年10月1日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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