2015年10月15日23時46分掲載  無料記事
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国際

ND米紙ウィークリーニュース第58号(October 2, 2015) 〜ND(新外交イニシアティブ)注目の外交・安全保障関連ニュース

●目次● 
 
「中国 第3の人工島建設か」9/16 NYT 
China Building Airstrip on 3rd Artificial Island, Images Show 
 
「安保関連法案の採決 日本の国会大荒れ」9/17 NYT 
Japan Military Bills Provoke Scuffling in Parliament 
 
「日本 国公立大学の質を下げる 」9/21 CT 
Japan dumbs down its universities at the wrong time 
 
「米中首脳会談 オバマは厄介な問題を提起か」9/22 WT 
Obama will raise thorny issues during Chinese president’s visit 
 
「露シリアに軍事支援か 地上部隊配備の兆候」9/22 WSJ 
Russia Expands Military Presence in Syria, Satellite Photos Show 
 
「米連邦職員560万人の指紋データ ハッカーに盗まれる 」9/24 NYT 
Hackers Took Fingerprints of 5.6 Million U.S. Workers, Government Says 
 
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「中国 第3の人工島建設か」 
China Building Airstrip on 3rd Artificial Island, Images Show 
 
 9月16日付NYタイムズ紙は、中国が南シナ海の人工島に第三の滑走路の建設を開始したことを示す衛星画像が撮影されたと報じた。 
 米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が9月初めに撮影したとして発表したこの衛星画像は、CSISの分析によると、スプラトリー(南沙)諸島の珊瑚礁ミスチーフ礁からスービ礁にかけ、第三の人工島建設の可能性を示しているという。 
 中国は数か月前、今年南シナ海で大規模な干拓事業で作成した5つの人工島の1つ、ファイアークロス礁に約3000メートルの滑走路を完成させた。 
 同紙によると南シナ海情勢は米中間の懸案事項のトップに位置し、来週、習主席の訪米中に米中首脳会談で協議されるとのこと。 
 
「米中首脳会談 オバマは厄介な問題を提起か」 
Obama will raise thorny issues during Chinese president’s visit 
 
 9月22日付のワシントン・タイムズ紙は、米国家安全保障担当補佐官のスーザン・ライス氏が、今週行われる米中首脳会談で、米国は中国に、北朝鮮を核兵器開発から遠ざけることへの協力を呼びかけると同時に、中国がハッカーを用いて米政府や事業部門の機密事項を盗み出した疑惑についても触れるつもりであると述べたと報じた。 
 同紙によるとライス氏は、ジョージ・ワシントン大学での講演で「我々は還元主義的な根拠やいいかげんな言葉に基づく米中間における軍事的衝突は不可避であるという主張は認めない」と発言しており、アメリカと中国の関係は「世界で最も重大なものである」との見解を示している。 
 また、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のボニー・グレイザー上級研究員は、南シナ海での軍事行動が「習主席とオバマ氏との間で最も意見が割れる議題」になるだろうと述べているという。 
 現在、中国は南シナ海南部に位置するスプラトリー(南沙)諸島にて滑走路の建設を進行中とされているが、南沙諸島は中国、フィリピン、べトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾らの5か国間の領土問題の中心となっている。 
 中国は、「これらの行為は合法かつ妥当であり、また正当と認められるものである」と主張しており、埋め立て行為や建設行為に抗議を続ける米国の姿勢については、「南シナ海問題への干渉」とみなしている。 
 同紙によると、オバマ政権はこの問題について中国との直接的な対立となることに乗り気ではないように思われ、米政府当局者らは中国の軍事力の誇示を公然と批判している一方で、東南アジア諸国連合(ASEAN)のによる解決を求めている。 
 ライス氏は「オバマ政権は同問題について特定の立場をとることはないが、我々は同海域における米国の自由通行権を今後も主張し、強調していくつもりだ」と述べ、この問題における米国の姿勢を明らかにしていると同紙は伝えている。 
 
「米連邦職員560万人の指紋データ ハッカーに盗まれる 」 
Hackers Took Fingerprints of 5.6 Million U.S. Workers, Government Says 
 
 9月24日のNYタイムズ紙は、米連邦政府人事管理局(OPM)が6月に明らかにした「社会保障番号(SSN)」を含む個人情報流出事件で、漏洩された情報の中に560万人分の連邦職員の指紋データも含まれていたと報じた。 
 同紙によると、この発表前には、当局はSSNに関連した約2200万人分の情報漏洩のうち、指紋情報の漏洩は110万人分としていた。変更可能なSSNやパスワードとは違い、変更不可能な指紋の情報は中国側にとっては非常に重要な意味を持つと同紙は見ている。 
 また、米情報機関はこれまで、連邦職員の人事情報を管理するOPMを狙ったハッカー攻撃は中国国内から行われたとの見解を示してきたが、今回の犯行に及んだ団体または組織を特定するまでには至っていないという。米側が行っている調査によると、中国は、中国を訪れ、または仕事等で暮らしている米国人の膨大な個人情報を保管している恐れがあるとのこと。 
 9月25日に行われるオバマ大統領と習近平国家主席による首脳会談では、このサイバー攻撃が主要な議題になると見込まれており、サイバースペースにおけるルールを定め、デジタル攻撃を制限する合意に至るだろうと同紙は伝えている。 
 
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