2015年10月20日10時29分掲載  無料記事
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反戦・平和

日本人の東南アジアへの無関心めぐり活発な対話 「バンクーバー9条の会」で高嶋伸欣氏講演

  さる10月17日に、戦後70周年と、バンクーバー9条の会の設立10周年を記念して、下のような催しを行った。(落合栄一郎) 
 
 行事の題は「和解に向けて:アジア太平洋戦争終結70周年にあたり」であり、琉球大名誉教授高嶋伸欣氏の講演に基づき、出席者の中国、韓国、東南アジア系の人々との対話を行うというものであった。高嶋氏は、過去40年にわたり、東南アジア、なかんずくマレーシアとシンガポールの現地におもむいて、現地人に取材し、日本軍の残虐行為を検証してきた人である。先ずは、日本人にあまり知られていない先の戦争の部分について日本人が知り学ぶこと、そしてその影響をうけた国々の人達の対応、そして現在どう考えているかなどを、対話を通して、知りあい、そしてそれらの国とのよりよい関係を築く礎になればと思って企画したものであった。 
 
 盛会でした。韓国、中国、その他のアジア系の参加者が、日系人の参加者より多かった。高嶋氏の講演は、参加者に強い印象を与えたようです。主な理由の一つは、彼が、ほとんど自力で、しかも最初は現地でも強い反感を持たれたにも拘らず、執拗に真実を追求し、ついには、現地の人達の理解を獲得したというその精神でした。そして、40年間で、マレー半島で、70数カ所の現地人虐殺地点を特定した。現在では、現地の若い世代の人達が、なんでこのようなことを日本人がやったのだろう、これこそ我々がやるべきことだったと、積極的にこうした追求を継続しているそうです。 
 
 このイヴェントの目的であった、日本の過去を反省すると同時に、近隣諸国(東南アジアを含む)の人々と対話を進め、相互理解を深めるということは、講演後の会話(質疑以上の)が非常に活発に行われたことによって、ある程度達成された。 
 
 そして、高嶋氏の講演で、日本人にとっては、非常に深刻に受け止めるべきたったことの一つは、日本人の多くは、中国、韓国との関係に関しては、良きにつけ悪しきにつけ、関心を持っているが、そのほかの東南アジアとの関係(とくに日本軍の蛮行)などに関しては、関心が少ない、意識にのぼることも少ないという指摘でした。それ故か、太平洋戦争が、実は、マレー半島への日本軍の上陸に端を発したのであって、ハワイ真珠湾攻撃が先ではないことは、まだ、日本では充分に認識されていない。東南アジアの国々では、日本の軍事力台頭の現況は、非常に懸念されているとのことですが、おそらく、日本では、そうしたことは意識されてもいないようです。 


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