2015年11月12日00時07分掲載  無料記事
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反戦・平和

シベリア抑留者支援センターEメイル・ニュース No.33(2015.11.5)

 10月は日比谷図書館ホールで「シベリア抑留70年」のイベントを連続開催しました。多数のご参加・ご協力ありがとうございました。松島トモ子さんはじめ多くの方々がご出演下さり、盛り上げてくださいました。元抑留者の田中猛さん(88歳)は、わざわざハバロフスクからご参加くださいました。 
 ユネスコの世界記憶遺産登録をめぐって、日ロ間で論争が起きています。10月30日にロシア大使館を訪ねて政治部の一等書記官と意見交換しましたが、「歴史を政治利用すべきでない」と強調していました。同じことを現在、日本政府は中国・韓国に対して主張しているわけで、この状況を逆手に取って、日ロで共同研究を呼びかける方向にリードできれば建設的ではないかと思います。 
 第1回「シベリア抑留記録・文化賞」の受賞者は渡辺祥子さんに決定しました。贈呈式が11月7日(土)午後4時から大阪経済法科大学・東京麻布台セミナーハウス2F大会議室で行われます。会員・協力者の皆様もどうぞご出席・ご参加下さい。取材も歓迎です。 
 大阪経済法科大学・アジア太平洋研究センターの公開講座「シベリア抑留70年―帰還者と記録が伝えるもの」も始まっています。第2回は、11月7日(土)夜6時から「抑留者たちの表現―香月泰男・石原吉郎・長谷川四郎」石川巧立教大学教授です。ふるってご参加下さい。(詳細⇒http://www.keiho-u.ac.jp/academia15/) 
 
 *各紙地方版や地方紙掲載のシベリア抑留関係の記事をお送りいただければ幸いです。 
 
≪情報&催し物案内≫ 
 
◆公開講座「抑留70年・帰還者たちと記録が伝えるもの」 
<会場>大阪経済法科大学・東京麻布台セミナーハウス(地下鉄日比谷線「神谷町」下車1番出口から徒歩5分) 
<受講料>各回千円 
<申込先>大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター(Tel)03−5545−7789 
詳細⇒http://www.keiho-u.ac.jp/academia15/ 
 
<第1回>11月7日(土)18:00〜「抑留者たちの表現―香月泰男・石原吉郎・長谷川四郎」(石川巧立教大学教授) 
《講義内容》 
 長谷川四郎の「小さな礼拝堂」(「近代文学」1951年8月)は、長谷川四郎自身のシベリア抑留体験に基づいて書かれた短編小説である。だが、長谷川四郎の語り口には、残酷な処置への抗議もなければ被害者のヒロイズムも存在しない。「小さな礼拝堂」におけるシベリア抑留は、人間の尊厳に対する破壊・妨害行為そのものであり、被害者/加害者という短絡的な図式で処理できない問題として扱われているのである。 
 本発表では、石原吉郎の言説や香月泰男の作品を合わせ鏡のように組み合わせることで、この作品の魅力を立体的に析出し、従来、大量殺戮=死の計量化という観点で捉えられることが多かったジェノサイドを文化殲滅の観点から再考する。 
《講師プロフィール》 
 石川巧(いしかわ・たくみ、立教大学教授) 
 立教大学大学院博士後期課程満期退学。山口大学専任講師、助教授、九州大学大学院助教授を経て、現在、立教大学教授。専門は日本近代文学。 
 著書に『「国語」入試の近現代史』(講談社選書メチエ)、『「いい文章」ってなんだ―入試作文・小論文の歴史』(ちくま新書)、『高度経済成長期の文学』(ひつじ書房)、『「月刊読売」解題・詳細総目次・執筆者索引』(三人社)、『高度成長期の出版社調査事典 全8巻』(金沢文圃閣)、『「黒猫」復刻版 全11冊+別冊1』(三人社)、『戦争を〈読む〉』(ひつじ書房、2013)など多数。 
 近著に「幻の雑誌「国際女性」と谷崎潤一郎」(『新潮』2015年4月)がある。 
 
<第2回>12月5日(土)14:00〜「抑留体験の継承へ―資料公開と研究の現状」(富田武成蹊大学名誉教授) 
《講義内容》 
 シベリア抑留研究には日米ソ(露)の公文書、体験者の回想記が不可欠であり、体験者が残した詩、俳句、短歌、絵画、歌曲、演劇台本なども資料的な価値を有する。 
 抑留生活の全体像を捉えるために、住居と衣類、医療衛生、給食、労働、政治教育のほかに娯楽(上記の文化的表現)というテーマも大切であり、排泄をテーマにコミカルな絵画を素材として抑留生活を描いた研究もある。公文書と回想記のギャップを埋め、個別収容所の実像にまで迫る研究を続けるとともに、抑留者たちが生き残るために行った表現活動も研究の中に位置づけていく必要がある。 
 最終回は広義の資料の収集・保存の現状を考え、研究発展の糸口にしたい。 
《講師プロフィール》 
 富田武(とみた・たけし、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員教授) 
 1945年福島県生まれ。1971年東京大学法学部卒業、1981年同大学院社会学研究科博士課程単位取得。成蹊大学教授、同アジア太平洋研究センター所長、法学部長などを歴任。現在、成蹊大学名誉教授、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員教授。2010年、シベリア抑留研究会を設立、代表世話人。 
 シベリア抑留関係の編著書:ユーラシア・ブックレットNo.178『コムソモリスク第二収容所』(東洋書店)、『シベリア抑留者たちの戦後―冷戦下の世論と運動・1945−56年』(人文書院) 
 
 
◆「帰還証言:ラーゲリから帰ったオールドボーイたち」上映会in神戸 
「その2 前編(終戦編)」 特別興行千円均一 
<日時>11月7日(土)〜13日(金)10時〜 
<場所>元町映画館(住所:兵庫県神戸市中央区元町通4丁目1−12,電話:078−366−2636) 
 
◆シベリア抑留研究会 
<日時>11月21日(土)14:00〜17:00 
<場所>大阪経済法科大学東京麻布台セミナーハウス4階小会議室 
<報告>「難民:満州から北朝鮮へ、そして故国へ」(仮題)井上卓弥氏(毎日新聞学芸部) 
 *『満洲難民 三八度線に阻まれた命』(幻冬舎、5月刊行)を事前にお読みになるようお勧めします。 
<連絡先>富田武 tkshtomita@jcom.home.ne.jp 
 
【事務局より】 
 10月の連続イベントへのご参加・ご協力ありがとうございました。なんとか全日程を終えましたが、反省点も多々ありました。参加しての感想などお寄せいただければ幸いです。アンケートも現在集計中です。 
 村山常雄さん、高橋大造さんらが遺された資料・原稿・図書などをご遺族より寄託され、大阪経済法科大学・アジア太平洋研究センター(東京・麻布台セミナーハウス7F)で整理作業を行っています。作業を手伝って下さるボランティアを募集中です。当面、毎週月曜日を作業日にしています。 
〔11月9日(月)、16日(月)、30日(月)10:30〜15:00 *11月23日(月)は休みです〕 
 
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シベリア抑留者支援・記録センター 
(E-mail)cfrtyo@aol.com / cfrtyo@gmail.com 
(Fax)03−3237−0287 
(Tel)03−3237−0217 / 080−5079−5461 
(住所)〒102−0074 東京都千代田区九段南2−2−7−601 
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