2015年12月03日14時07分掲載
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「老兵挽歌」〜3つの戦いを生き抜いた兵士たちの記憶〜 若くして兵士になり、戦いに敗れ、異郷で60余年 台湾史の真実に切り込むドキュメンタリー映画
台湾の歴史を見つめてきた林雅行監督の新作が近日ユーロスペースなどの映画館で公開される。今回のテーマは大陸から逃げて台湾に渡航した蒋介石率いる国民党兵士たちの物語だ。
「1949年、中国大陸での内戦に破れた蒋介石と国民党軍、政府要人、その家族たち約200万人が人口600万人の台湾に渡ってきた。彼らは台湾の政官界を掌中にし、それ以前から住んでいた人々(本省人)の上に君臨した。彼らは外省人といわれた。その200万人のうち60万人が国民党一般兵士だった。
60年の歳月が流れる中で、台湾に渡った国民党兵士は全て退役。彼らは、「栄誉国民」=栄民と名付けられた。国家は栄民に数々の特典を与えた。出身部隊ごとに形成された集落は、「眷村(けんそん)」と言われ、大陸出身地の言語を使用して一般の台湾社会と一線を画していた。眷村(けんそん)に住む栄民には家族(妻や子や孫)がいた。
その一方で、ひとりで余生を過ごす元兵士もいる。年齢は、80歳から90歳代。彼らは「栄民の家」といわれる軍の施設で、ふたり一部屋の集団生活をしている。食堂や映画館やカラオケや麻雀などの娯楽場、売店、病院も完備された元兵士たちの棲み家。台湾でもタブーとされた「栄民の家」にカメラが入り、老兵たちの心のうちに迫っていく。知られざる台湾の埋もれゆく歴史を掘り起こすドキュメンタリー。」(クリエイティブ21提供)
林雅行監督に関する過去の記事から。
■ドキュメンタリー映画「呉さんの包丁〜戦場からの贈り物〜」(監督:林雅行)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201308101246386
■【テレビ制作者シリーズ】(8) 反戦に意志を貫く個を描く、林雅行さん
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200911011100010
■戦災傷害者の無念を描く ドキュメンタリー映画「おみすてになるのですか〜傷痕の民〜」
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201001211340314
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