2016年01月16日23時51分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】伊方町の住民は原発再稼働をどう考えているか(1) 原発の城下町(愛媛県伊方町)を一軒一軒歩きました
原発の城下町(愛媛県伊方町)を一軒一軒歩きました。一軒一軒から聞いた住民からの声を一部紹介します。伊方町住民へハガキアンケート3591戸に配布、回答1427戸。伊方原発再稼働に反対53.2%、賛成26.2%。(藤原丸子 愛媛県八幡浜市)
◆Aさん(90歳台・女性)
初めての面談。急に訪問したので、びっくりしておられた。とても優しい語り口。主旨を言うと、「そうですか」と答えられるけど、曖昧な口調。
「それよりも私の俳句を見てほしい」と。その前日にもらったという表彰状。
「ウワーすごいですね、良かったですね」」と私までそのお元気さに感心する。だって90歳だ。
そして最後に「ごめんなさいな、孫が原発に行きよるけん、ちょっと反対はできんなあ」「それは無理ないですよ」と言いながら人との出会いをほこほこした思いで感謝し、辞去した。
◆Bさん(70歳台・男性)
限界集落のような空家の多い地区。海岸に一軒家のようなお宅にお邪魔した。なかなか出て来られない。しばらくして男性が奥からぼつぼつ出られた。主旨を言うと「そうかな、わしも反対で」と言われる。嬉しいなあと話が弾む。若い時、万博の工事で忙しくしていたことを楽しそうにその頃の話を喋られる。
日本の高度経済成長の頃をなつかしそうに、ご自分の輝いていた時を思い出しているのだろう。
今は体も不自由で買い物もままならないとのこと。一人暮らしの寂しさを感じる。もっと喋る機会があったら、喜ばれるだろうにとつくづく思った。
◆Cさん(40歳台・男性)
原発に近いこの集落はお年寄りが多いけど、新しい若い人たちの家もちらほらとある。子どもの履物もあるそんなお宅。玄関に見えたのは40歳代の男性。ちょっと苦手かなと少し構えて主旨を言うと、「ウン、ウン」と頷いて聞いて下さる。最後に言いにくそうに「実は原発に働いています」と。
「ごめんなさい、それだったら無理ですね」と私の方が慌ててしまった。「いいえ」と優しい顔で応対して下さった。こんな風に逆な立場でも穏やかな会話が大切だと痛感した。 (その2へ続く)
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