2016年01月28日14時56分掲載
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独断と偏見の読書ガイド 10日間・国民投票までに読みたい7冊
今からちょうど2年前の1月、日刊ベリタに以下の読書ガイドを書きました。普段は1週間限定の読書ガイドにしていたのを、3日間増やして10日間にしたのは恒例の独断と偏見によって必要だと考えた本を読み切るには1週間では足らない、と考えたからでした。
今から2年前はいったいどんな時だったか、と振り返りますと、戦後民主主義の終わりの始まりを告げたと言われた「特定秘密保護法」の国会通過から1ヶ月後を指します。その1ヶ月の間に私はそれまでの半生でまじめに読んでこなかった政治学の古典を読み直しました。それまでの人生では正直いうと、こうした本は退屈な古典に見えていたのです。大学の政治学ですら、無味乾燥な学問に感じられていました。しかし、特定秘密保護法が可決したとき、生まれて初めて、政治学に対する渇望が湧いてくるのを感じました。それは危機感からです。
翻訳ではあれ、原典に触れることは、政治学のテキストで要約を暗記するのと似て非なる異質とも言える体験でした。原典には政治史を変えた時代の魂が燃える炎のように熱く込められていました。それに比べると、政治学の教科書というものは一種の読書ガイドに過ぎません。
<10日間で完読! 独断と偏見で選んだ近代政治思想書 〜日本国憲法の源流をたどる〜>
近代政治思想の流れをたどる独断と偏見の10日間読書ガイド。これは日本国憲法の思想的源流をたどる旅でもある。
■金曜・土曜
ジョン・ロック著 「統治二論」〜政治学屈指の古典〜
王権神授説とは?それに対する社会契約論とは何か。
■日曜・月曜
トマス・ホッブズ著 「リヴァイアサン (国家論)」
国家とは何か?社会契約論の思想的源流を遡る。
■火曜
ジャン=ジャック・ルソー著「社会契約論」
主権者とは誰か?社会契約論の大陸的発展をたどる。
■水曜・木曜
モンテスキュー著「法の精神」
「権力分立」とは?
政治構造を古今東西から縦横無尽に考える。
■金曜
「ザ・フェデラリスト」(ハミルトン、ジェイ、マディソン)
米国はいかにして「構成」(constitute)されたか?
■土曜
「独立宣言と米憲法」(The Declaration of Independence and The Constitution of the United States)
抵抗権の実例を独立宣言に、
米国政治のグランドデザインを米憲法に見る。
■日曜
ジョン・スチュアート・ミル著「自由論」
少数意見はなぜ尊重されないといけないか?
思想・表現の自由とは何なのか?
※ジョン・ロック著 「統治二論」〜政治学屈指の古典〜
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