2016年01月30日17時44分掲載
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国際
米大統領選 あのトランプ氏が「リベラル」と批判されていた・・・ ネガティブキャンペーンで批判集中「我々はトランプという人物をどの程度知っているのか?」
米大統領選ではネガティブキャンペーンが大々的に行われる。イスラム教徒の入国を禁じる、などの暴言で話題になっている共和党候補のドナルド・トランプ候補に、ライバル共和党候補陣営から「隠れリベラル」との批判が集中している。以下はSuperPAC(※後述)によるトランプ候補へのネガティブ宣伝映像。
http://www.newsmax.com/Politics/trump-liberal-super-pac/2016/01/23/id/710584/
ネガティブキャンペーンの映像や記事を読むと、トランプ氏が過去に拳銃所持に反対したこと、中絶支持であったこと、国民皆保険を支持したこと、イランとの核交渉で民主党のヒラリー・クリントン候補を支持していたこと、民主党のナンシー・ペロシ議員を讃えていたこと、共和党のジョージWブッシュ大統領の弾劾に賛成していたことなどが、発言映像などを交えて伝えられている。ネガキャンを行っているのはトランプ候補を追う二位のテッド・クルーズ陣営だと報じられている。
共和党右派の論客、アラスカのサラ・ペイリン氏が今回、トランプ氏支持を表明したのも、こうしたトランプ氏へのバッシングを止めるためだったと考えることもできそうだ。右派の中で一番声の大きかったペイリン氏が支持を打ち出すことは右派層に効果を発揮しそうである。ペイリン氏の支持を得られなかったテッド・クルーズ氏は「ボクはペイリンさんを愛してる。ボクが上院議員になれたのはペイリンさんのおかげ。2016年に彼女が何をしようと、ボクは彼女の大ファン」とツイートしたそうだ。こういう人々の中から米大統領が選ばれ、日本の外交政策や防衛政策が作られる。
暴言ばかりがおもしろおかしく伝えられるトランプ候補だが、過去の言説を見ると、複雑な背景を持っている印象もある。共和党候補のトップを走っているドナルド・トランプ氏の本音がどこにあるのかを知ることは重要だろう。裏読みすると、穏健派の米国人にトランプ氏の意外な側面を知ってもらってアピールすることを狙ったトランプ陣営の仕掛けじゃないのか?と見えなくもないが・・・。共和党の予備選を勝ち抜けば、今出ているこれらの「隠れリベラル派」という批判はむしろ、トランプ氏の大統領選の追い風になるだろう。
■保守レビュー
https://www.conservativereview.com/commentary/2016/01/deace-donald-trump-a-typical-new-york-city-liberal-then-and-now
トランプ氏への「リベラル」との批判がここでも行われている。
■Super PAC
PACはPolitical Action Committeeの略。米国では政治献金の受け皿となるPACという政治資金管理団体を設立する。従来は個人献金に1人年間5000ドルの上限があった。しかし、2012年の米大統領選以後、上限が撤廃され、それを機にSuper PACと呼ばれるようになった。米大統領選では候補者のために設立されたSuperPACが、ライバル候補をこきおろすネガティブキャンペーンに巨額の資金を投入することが常態化している。
(知恵蔵miniなどを参照した)
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