2016年02月10日11時47分掲載  無料記事
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欧州

フランス国会(下院) テロ関連罪で訴追された人物が二重国籍者の場合はフランス国籍を剥奪 テロ対策で憲法を一部改正 議員の4分の3が棄権

   昨年末から激しい議論を呼び起こしてきたフランスのテロ対策のための憲法改正案が月曜、フランスの国会下院を通過した。テロの場合の緊急事態に対する措置として、憲法を一部(第一条など)改正することにしたのだ。これに対して、緑の党や左翼党などが人権尊重の見地から反対してきた。 
 
   とくに議論を呼んだのはテロ関連罪で訴追された人物が二重国籍者の場合、フランス国籍を剥奪するというもの。オランド政権のクリスチャーヌ・トビラ司法大臣までが憲法改正案に反対を表明して辞職することになった。 
 
  賛成票は103、反対票は26、棄権が441だった。極右政党の国民戦線も反対票を投じた。 
 
  この改正案が提出されたのは11月13日のパリのテロ事件をきっかけにしており、フランソワ・オランド大統領の率いる社会党政権から提出された。テロ対策を口実に盗聴を認めたり、国籍を剥奪したりといった措置を次々と重ねることで、フランスの自由や平等といった基本的な価値が損なわれているとして、多くの人々が反対しており、投票での棄権の多さもそのことを物語っている。 
 
  緑の党のセシル・デュフロ議員は「まさにこれこそがテロリストの狙いである」と批判の演説を国会で行ってきた。テロがイスラム教徒とその他の人々の間に楔を打ち込み、フランスの分裂を狙ったものだと考えるからだ。リベラシオンなどを参照した。 
 
 
■リベラシオンの記事 
http://www.lcp.fr/la-politique-en-video/duflot-la-tenue-de-ce-debat-est-triste 
 
■改憲に反対してきた緑の党のセシル・デュフロ議員の声 
http://www.lcp.fr/la-politique-en-video/duflot-la-tenue-de-ce-debat-est-triste 
  「このような重大な投票にこれだけの棄権があったことは残念でなりません」 
 
■仏司法相が辞任 テロ対策での国籍はく奪に異論 
http://www.asahi.com/articles/ASJ1W5TRPJ1WUHBI01J.html 


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