2016年02月13日17時30分掲載
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【西サハラ最新情報】国連安保理が動いた! 平田伊都子
2016年2月11日(日本時間)、国連安保理がやっと動きました! パン・ギムン国連事務総長の西サハラ地域訪問を正式承認しました。 西サハラを植民地支配するモロッコの拒絶にあって、国連事務総長とロス国連事務総長個人特使の訪問が延び延びになっていました。 安保理がパン国連事務総長の訪問を日程に載せたからには、モロッコも今までのように高飛車に断ることができません。 「これ以上モロッコが国連の活動を妨害するようだったら、モロッコに対して制裁を加えるべきだ」と、西サハラ難民政府の外交団は主張しています。 国連制裁はモロッコが一番恐れていることです。 昨年末の第14回西サハラ民族大会の決定を受けた、西サハラ外交団の成果です。 及ばずながらSJJAも援護射撃したことを、報告いたします。
(1) 第14回西サハラ民族大会の行動計画:
2016年2月7日、西サハラ難民政府は、「我々西サハラ民族は、モロッコ政府の不法な占領政策と占領地西サハラ住民に対する虐待と戦っている。モロッコ人民は敵ではない、友人だ」と断って、改めてモロッコに対する非難声明を出した。それによると、「モロッコ占領当局は平和デモに参加した西サハラ住民の長期収監と拷問を、すぐに止める事。モロッコは国連西サハラ住民投票に向けての妨害を止め、交渉の場に戻る事。国際法と国連憲章に反する禁漁区での漁業活動や、不法鉱物資源採掘を止めること」と、ある。
さらに、「モロッコ麻薬密輸団の横行や、ISイスラム過激派と関わるモロッコテロ組織の存在は、我々が住むマグレブ北アフリカ地域の安全を脅かしている」と、警鐘を鳴らした。
(2) 新外交団トップ5人にまとめてインタヴュー:
ムロウド・ワシントン代表
日本は技術と経済だけの国ではないと認識している。民主国家日本としての役目と、国際社会での義務を再検討して、西サハラ問題に対応して欲しい。
ハッダード国連西サハラ住民投票監視団団長
大会は全てのオプションを討議した。西サハラ民族の方向を決めると同時に、西サハラを国家承認してくれている諸国との関係を深め、欧米を始めとする支援団体を鼓舞していく。外交闘争にバカンスはない。
ベイサット・アジア担当大臣
日本の皆さん、ARIGATOU。日本人はタコが大好きだ。西サハラのタコをご馳走したい。大会には35か国から300人の外国人が参加した。私はこの大会のオーガナイザーだ。
ブハリ国連大使
ロス国連事務総長個人特使には国連住民投票を具体化するようにと、度々、申し入れている。しかし、モロッコが障害になっている。一方、日本はモロッコと漁業協定を結んだ。この協定はEUモロッコ漁業協定に倣ったもので、禁漁区西サハラ領海を含んでいる。これは国際法に違反する恥ずべき行為だ。「Negotiation Table in Tokyo」(日本で両当事者交渉)は賛成だし喜んで出かけたいが、まず漁業協定を破棄してほしい。
シダテイ・EU大使
EU諸国は、まだ国家承認をしていない。やっとスウェーデン議会が国家承認し、政府に強く働きかけている。たくさんのNGO団体が支援を続けてくれてる。
(3)場外援護射撃:
SJJAは第14回西サハラ民族大会を撮影取材した。5人のトップ西サハラ外交団の主張と西サハラ難民女性、若者たち、そしてモロッコ占領地・西サハラから命がけで大会に参加した西サハラ住民などをインタヴューした。西サハラ難民と西サハラ被占領民の生の声と、国連に対する請願をそのまま無編集で構成し、作成したDVD-Rをエドモンド・ムレ国連事務総長官房長官、クリストファー・ロス国連事務総長西サハラ個人特使、そして吉川元偉国連日本政府常駐代表特命全権大使に、2016年1月29日付けEMS国際スピード郵便で発送した。
(3) 国連安保理:
2016年2月11日(日本時間)、国連安保理の2月担当議長ベネズエラ国連代表とブハリ西サハラ国連代表が会談。同日の午後、国連安保理はパン国連事務総長の3月西サハラ地域訪問を全面的に支援することを決議した。ジェフリー・フェルトマン国連事務総長政治局局長が、パン国連事務総長の西サハラ地域訪問計画の詳細を説明し、モロッコに非合法占領されているアフリカ最後の植民地の現状と、西サハラ紛争解決作業の推移を報告した。
(4) モロッコは?:
一方のモロッコは、モロッコ占領地・西サハラのダハラ港で、<クラン・モンタン・フォーラム>3月17日から22日まで計画している。モロッコは占領地で派手なお祭りを打ち上げて、西サハラはモロッコ領土だという印象を作ろうとしている。国連関係者の参加を盛んに誘っている。が、UNESCOは国連憲章と国際法に違反した占領地でのお祭りに国連の名を冠して参加することは、占領を正しいことにしてしまうという理由で断った。
西サハラの埋蔵資源を狙うサウジアラビア王国は、2月10日にモロッコ首都ラバトで、モロッコ支援を表明しクラン・モンタン(スイスのスキーリゾートの名)参加を約束した。
2016年2月、マリではまたまたテロリストが暴れだした。 今度はUN監視団に手を出し5人を殺した。マリ・テロリストの資金源はモロッコから密輸されてくるハシッシだ。
2月7日、モロッコ北端にあるスペイン領セウタではIS細胞の大捕り物があった。セウタはモロッコの地にあるが、人口約8万人の小さい港町でスペイン領だ。ということは、セウタを囲む防禦フェンスを越えたら、そこはヨーロッパ、、不法に合法にセウタを目指すモロッコとアフリカの移民が後を絶たない。スペイン警察が逮捕した7人のIS細胞のうちにはモロッコ人とスペイン国籍を持つモロッコ人がいた。
今から40年前の2月27日に、西サハラ難民は<RASD西サハラ・アラブ民主共和国>を建国しました。 パン国連事務総長が西サハラ地域を訪問するとの約束で、西サハラ難民と西サハラ占領民の支持を取り付けたRASD政府は、なんとしてでもパン国連事務総長を難民キャンプに連れてこざるをえなくなりました。 国土も資金も無い難民が国連を動かしつつあります。 でも、建設的な楽しい外交闘争ですね!
文無しのSJJAもできる限りの応援を続けていきます。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年2月13日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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