2016年02月26日06時07分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】RASDサハラ・アラブ民主共和国設立40周年 平田伊都子
来る?来ない、来る?来ない、来る?来ない、、花びら占いをやってこれで4回目。
今度は来そうです。 パン・ギムン国連事務総長がどうやら西サハラ地域視察に来そうです。 しかし、来ようが来まいが今年も2月27日の西サハラ建国記念日は来ます。 西サハラ難民がRASD(サハラ・アラブ民主共和国)という名の国を創って、もう40年も経ってしまいました。 国連難民高等弁務官が扱う一番長期の難民に、国連は住民投票を約束したのに、ほったらかしにしてます。 早くしてよ、花びらがなくなってしまうよ!
(1)クリストファー・ロス国連事務総長西サハラ個人特使の露払い:
2016年2月19日、西サハラ難民キャンプで、ハトリMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)の西サハラ側交渉団長が記者会見を開いた。「難民キャンプに来たクリストファー・ロス国連事務総長西サハラ個人特使と会談した。ロスは、パン国連事務総長の西サハラ難民キャンプ訪問は3月の第一週になると言った」と、発表した。2月21日にアルジェでラマムラ・アルジェリア外務大臣に会ったロスは、パン事務総長のアルジェリア訪問を2016年3月6日から7日に予定していると話した。その後スペインに立ち寄ったロスは、2月24日にモロッコの首都・ラバトに入った。モロッコとの交渉後、ロスはモーリタニアに向かう。スペインは西サハラの旧宗主国で、国際書類上ではスペインが未解決のまま西サハラをほったらかしにしていることになる。モーリタニアは1979年まで西サハラ領有権を主張して西サハラ難民軍と戦っていた、西サハラの隣国だ。モロッコと西サハラ両当事者の交渉には、アルジェリアとモーリタニアが関係国として参加する。なぜ、スペインは参加しないのか?無責任な国だ。
(2)テロの中傷と戦って40年:
2016年2月21日、イブラヒム西サハラ情報保安局長は西サハラ建国40周年に向けて、「これまでの40年間、モロッコは西サハラの独立運動にテロリストのレッテルを貼ろうと工作してきた。悪意に満ちたモロッコの捏造を、国際社会も我々も改めて糾弾する」と、声明を出した。「1970年代のモロッコは、西サハラ独立運動が共産主義をマグレブ(北アフリカ)地方に撒き散らしていると、嘘を流した。80年代初期にはキューバやベトナムに追随する共産主義者と決めつけ、90年初期には原理主義や過激派という噂を流し、2000年の初めにはテロと麻薬の温床とあだ名し、2015年から2016の初めにかけてはテロリズムの製造元というプロパガンダを張った」と、西サハラ独立運動を潰そうとするモロッコの悪略を強く非難した。 「我々西サハラ人は一人として、いかなるテロリストとも麻薬組織とも繋がっていない。故郷を追われていても、我々は民主的な国家体制を作り、AUアフリカ連合の一員として、この地方の治安を護る責任を果たしている。当然、我々の難民キャンプや西サハラ解放区の治安は全く問題ない。アメリカを含む国際的なレポートが証明しているように、西サハラの独立運動を指導するポリサリオ戦線はテロ組織ではない。そして、西サハラ独立運動は平等と民主主義を達成するための自由闘争であることを、国連を含む国際組織が認めている」と、結んだ。
(3)モロッコ、ドイツ国会に噛みつく:
2016年2月、ドイツ下院で<ラストコロニー>と題するドキュメンタリーを上映して、民族自決権を求めて粘り強く闘っている西サハラ人民を支援する会合が開かれた。映画は長期の西サハラ紛争に焦点を当て、モロッコの植民地政策の実態を描いている。
これに対して2月23日のCORCAS(王立サハラ問題諮問会議)によると、「オマル駐ベルリン・モロッコ大使が、ドイツ下院でドイツ議員が開催した会合と上映記録映画は、モロッコ国王陛下を侮辱しモロッコのサハラ領有権を否定していると、非難した。映画は、モロッコ側に何の断りもなく、モロッコ・サハラを捻じ曲げて伝えている。オマル大使はドイツ議会と議員に対して、強い抗議の書簡を送った」と、反発した。
(4)難民マラソン大会:
2016年2月23日、第40回RASD(サハラ・アラブ・民主共和国)建国記念日に向けて、恒例のマラソン大会がスマラ難民キャンプでキックオフした。第16回マラソン大会には、スペイン、イタリア、フランス、中国、スウェーデン、アメリカ、ベルギー、ドイツ、イギリス、スイス、オーストリア、オランダ、クロアチア、キューバなど、約500人の外国 人が参加した。42KMフルマラソンではスペインのヴィセンテ・グランデが優勝し、ハーフマラソンではアルジェリアのタビト・ワッデイが優勝した。
筆者は何度か<2月27日西サハラ建国記念日>を取材したことがあります。 でも、このころは砂嵐の時季に当たり、お祭りイベントが中止になったりします。 今年はちょうど40年という節目の年なので、西サハラ難民政府はお祭り準備委員長にハトリ国会議長を起用しました。 ハトリ国会議長は第14回西サハラ民族大会を成功に導いた、誰の意見にも耳を傾ける真摯な紳士です。 が、ここにきて、パン国連事務総長の西サハラ難民キャンプ訪問が現実味を帯びてきました。 急きょ、西サハラ難民政府はハトリ国会議長をMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)の西サハラ側交渉団長に再任しました。
西サハラ難民にとって、お祭り騒ぎより<パン国連事務総長訪問>のほうが、ず〜ッと大きなイベントです!
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年2月26日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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