2016年03月12日11時36分掲載  無料記事
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国際

ヒラリー・クリントンとホンジュラスのクーデター 米外交を批判していた環境活動家が暗殺される

  米民主党大統領候補のヒラリー・クリントンがオバマ政権の国務長官だった2009年にホンジュラスでクーデターが起きている。ヒラリー・クリントン氏がこれに関与していたと批判してきたホンジュラスの環境活動家が先日、暗殺された。米報道番組「デモクラシー・ナウ!」がこの件を報じた。 
http://www.democracynow.org/2016/3/11/before_her_assassination_berta_caceres_singled 
  2009年のホンジュラスのクーデターとは選挙で選ばれた左派のセラヤ大統領が6月に起きた軍事クーデターで追われた事件で、左派政権が各地で力を持ち始めていた中南米の逆旋回とも言える象徴的な出来事だった。その頃、ベネズエラのチャベス大統領が生きており、豊富な石油の売却益を使って反米的な勢力を支援していた。経済難のキューバにとってもベネズエラの石油は貴重だった。そのベネズエラも今はチャベス大統領もなく、石油価格の暴落で財政危機にあえいでいる。リベラル的とみられるオバマ政権だが、ヒラリー・クリントン国務長官の外交はタカ派的な性質だった。 
 
  クーデターの背景にはセラヤ大統領が再選を禁止している憲法を変えるために国民投票を実施しようとしていた矢先に起きたもの。この軍事クーデターでセラヤ大統領は軍によってコスタリカに連れ去られたが、同年、電撃帰国し、ホンジュラス国内にあるブラジル大使館に籠城した。その後、米国が介入して、セラヤ大統領を復職させセラヤ大統領が出馬しない形で大統領選を新たに行うように促したが、セラヤ大統領はクーデターを容認する見せかけの大統領選を否定し、そのような形の復職を拒否していた。結果的にセラヤ大統領の復職がないまま、セラヤ氏抜きで大統領選挙が行われ右派のロボ氏が勝利、米政権はロボ政権を承認するよう国際社会に呼びかけた。 
 
 
  以下は2009年10月の日刊ベリタの記事。 
 
  「今週、米高官がホンジュラス入りか」 
 
 
  今週米政府高官が危機打開に向けホンジュラス入りする予定だ。オバマ政権にとってはクーデター政府に対する最初の積極的な行動になると見られる。インターナショナルヘラルドトリビューン10月28日付記事でジンジャー・トンプソン記者(Ginger Thompson)が報じた。(日刊ベリタ編集部) 
 
  担当官によると先週金曜、ヒラリー・クリントン米国務長官がブラジル大使館に立てこもっているセラヤ大統領とクーデター政府のミチェレッティ暫定政府大統領の両者と電話で話したことで今回の行動に進展した。 
 
  ミチェレッティ暫定政府大統領はセラヤ大統領の復職を頑なに拒否している。さらにワシントンのロビイストを使って、11月29日に予定されている大統領選挙の結果を承認するよう米政府に圧力をかけている。 
 
  一方、ラテンアメリカ諸国の大半はセラヤ大統領の復職がまず実現しない限り、11月の大統領選挙の結果は承認しないという声明を出している。米政府も同じ要求をクーデター政権につきつけた。 
 
  ホンジュラスのクーデターはラテンアメリカ諸国と米国との間の腫れ物になっている。ラテンアメリカ諸国の首脳たちは人権侵害を続けるクーデター政府に対する米政府の対応がゆるいと見ている。 
 
  以下は2009年11月の記事。 
 
  「ホンジュラスのセラヤ大統領、選挙前の見せ掛けの大統領職復帰を拒否すると声明」 
 
 
  約2週間後に迫ったホンジュラスの大統領選挙だが、首都テグシガルパにあるブラジル大使館に未だ籠城しているセラヤ大統領は先週土曜日ラジオで声明を発表した。11月29日の選挙のための大統領職への復帰は拒否するというものだ。(日刊ベリタ編集部) 
 
  声明はセラヤ大統領がオバマ大統領にあてた書簡を読み上げたものだ。「本日より、ホンジュラス大統領として、クーデターを容認することになる見せ掛けの大統領職への復帰は拒否する」とセラヤ大統領はブラジル大使館からラジオ放送局Globoでその書簡を読み上げた。さらにセラヤ大統領が復職していなければ11月29日の選挙結果も認めないとしていた米国務省がその方針を翻した、と声明でワシントンを非難した。 
 
  10月7日付けのルモンドの記事では、ブラジル大使館内にセラヤ大統領と約60人がこもっているが、そのうち約10人がジャーナリストだ。またブラジル大使館に入るには厳しいチェックが求められ、中に入れない記者達は外のバーガーキングに待機していると言う。 
 
 
  以下は2011年の記事。 
 
  「西側で最も記者にとって危険な国 ホンジュラス」 
 
 
  西側世界において、取材記者が最も危険に直面する国がホンジュラスだという。2007年以来、23人のジャーナリストが殺されているが、この数か月でクーデターで解任されたセラヤ大統領を支持していたジャーナリスト3人が銃で殺された。またロボ大統領になって以来15人のジャーナリストが殺されたという。ボイス・オブ・ロシアが報じた。 
 
  この声明を出したのはワシントンDCに本部を持つNGOのThe Council on Hemispheric Affairs (COHA) のラリー・バーンズ(Larry Birns)ディレクターである。COHAは1975年に設立されたNGOで、ラテンアメリカにおける人権侵害と政治をウォッチしている。ホンジュラスは西側世界で殺人率も最も高く、特にアメリカ人は危険だという。 
http://english.ruvr.ru/2011/11/06/59872335.html 


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