2016年03月12日14時17分掲載  無料記事
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東日本大震災

東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議だよりNo.28(2016年2月29日発行)

≪時間をかけて心の復興を 〜復興レポート・田野畑村〜≫ 
 
 田野畑村の島越、平井賀、羅賀、明戸、机浜地区を廻る。港は整備され、大小の船が浮かび、サッパ舟が陸に整列し、海岸線には浸水住居の土台撤去や防潮堤工事の重機が並ぶ。流失・壊滅した島越駅は、かさ上げされて駅舎と駅前広場が整備された。高台集団移転団地は、焦げ茶色の木造戸建て災害公営住宅と新築家屋が軒を連ねる。 
 
 中村勝明・村会議員は、「全体として8割方復旧したのではなかろうか」と語る。 
「家を流された方々は、自力再建あるいは災害公営住宅に入居するなどで3月末には仮設入居者がゼロに。災害公営住宅は全て戸建てで入居者 から歓迎されている。課題は、買い物弱者・交通弱者対策。村営バスが行き先予約制300円で週3回運行され、高台移転のために遠くなった三鉄の駅や、買い物・診療所などへ利用され喜ばれている。この充実が課題となろう。漁業関係は、被災を契機に廃業された方もいるが、希望者には漁船や養殖台は100%確保され、定置網も再建された。浜小屋や倉庫の整備、防潮堤の整備が本格化する。後継者育成、震災で縮小した水産加工品の販路拡大が課題であるが、順調に推移しているのではないか」 
 
 復興の道のりは長い。5年要したが基盤整備はほぼ完成だ。一方で、「頑張って立派な家を建てた。落ち着くだろうと思っていたが、しっくり来ない。なんだろうねえ」と語る人も。被災前に戻りようがないのは理解していても、失ったものの大きさが語り尽くせず、体内に沈殿し、そこらの風景も淀んでいるように映るのではないだろうか。そんな感想を持った。 
 被災地の復興は「住まい再建!住民主人公の地域・環境づくり」からと、”地方創生”を掲げる中央政府への働きかけがますます重要だと感じた。(復興 宮古・下閉伊住民会議準備会世話人・事務局 前川昌人)。 
 
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