2016年04月01日22時23分掲載  無料記事
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コラム

乙武氏の報道に思う 新憲法で「姦通罪」復活の可能性<美しい日本の美しい家庭を守る国民運動として>

  乙武氏の不倫騒ぎは自民党批判の見地から行われている印象がありますが、僕はある危惧を感じています。1つはこの間のベッキーに対するバッシングもそうでしたが、不倫という極めて私生活の領域が公の場で取り沙汰されて、個人のモラルが大衆の批判にさらされていることです。 
 
  今年憲法がもし自民党案で改正されると、家族の絆を重視することが憲法で義務づけられます(平成24年改憲案 第24条1)。家庭を家族でお互い助け合って維持していくことが国民に課せられる義務となります。そこでは不倫など許されるはずがありません。家庭という個的な場に国家が介入することが当たり前になります。憲法が改正されると、憲法に沿った新たな法律が続々と作られていくはずです。 
 
  そう考えると戦前まであった姦通罪が復活する可能性もあるかもしれません。浮気が刑法上の犯罪行為になり、浮気をすると刑務所行きということになる可能性があるのです。戦前の姦通罪では浮気の相手も同罪でした。しかし、浮気とか不倫はモラルとしてはよくないことでしょうが、刑務所に入れられるような犯罪行為なのでしょうか。 
 
 参考までに大日本帝国憲法時代の姦通罪は以下のようなものでした(ウィキペディアによる) 
 
  旧刑法(明治40年法律第45号) 第183条 
 
●有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス 其相姦シタル者亦同シ 
 
 (夫のある女子が姦通したときは2年以下の懲役に処す。その女子と相姦した者も同じ刑に処する。) 
 
●前項ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス 但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告訴ノ效ナシ 
 
 (前項の罪は夫の告訴がなければ公訴を提起することができない。ただし、夫自ら姦通を認めていた時は、告訴は効力を有しない。) 
 
  ということで、姦通罪は妻に浮気をされた夫が告発した場合のみ警察が動くという親告罪でした。しかし、夫が浮気をした場合、妻が告訴することはできませんでした。こういう点で男尊女卑だったのですが、次の憲法で姦通罪がもし復活するとすれば妻の側からも夫の浮気を告発できるようにして男女平等という体裁を取ることにおそらくはなるでしょう。姦通罪の場合、罰則は2年以下の懲役でした。 
 
 
 
■自民党改憲案(平成24年) 
第24条1項 
  「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助けあわなければならない。」が加わった。 
 
 
■日本の‘女’は子供を何人産むべきか? 〜NHK経営委員になった学者の提言から〜 男女雇用機会均等法の是非 
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