2016年04月04日00時04分掲載  無料記事
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市民活動

「憲法映画祭2016」

  「憲法映画祭2016」 
と き:2016年5月1日(日)11時 〜 19時 
ところ:東京体育館第1会議室 渋谷区千駄ヶ谷1-17-1 
 
★プログラム 
11時30分 〜 12時50分 「映画 日本国憲法」 
13時30分 〜14時30分 お話「世界の中の日本国憲法」もと朝日新聞記者伊藤千尋さん 
14時45分 〜 17時 「ありふれたファシズム」 
17時20分 〜 18時40分 「ショック・ドクトリン」 
一日券 一般 1800円 学生 1500円 
一回券 一般 800円 学生 500円 
 
■活動としての憲法を考える映画の会 
 
  憲法を考える映画の会を始めたのは2013年4月のことです。その前年の12月、安倍政権が政権を取って憲法「改正」を言い始めました。私たちはその時、2012年4月に自民党がつくった「日本国憲法自民党草案」をはじめて読んで、こんな「改正」案を作っている政党が憲法改正案を作ったら大変なことになる、絶対にそれを止めなければならないと考えました。
そうして自分たちに出来ることは何かと考えて始めたのが、この「憲法を考える映画の会」でした。 
 
  その気持ちはいまも変わっていません。 
  そのような気持ちから始めたこの「憲法を考える映画の会」は、3月の映画会で24回目を迎えました。自分たちの活動の一つの形として映画を見て憲法を考える、話し合いの機会をつくって憲法改悪を阻止する行動にしようとしたのです。しかし残念ですが、その後自民党と公明党は、「秘密保護法制定」「集団的自衛権の行使容認の閣議決定」「安保関連法施行」と平和憲法を無視し、戦争が出来る国へとひた走っています。そしてそれを止めることは出来ていません。この夏に予定している参議院選挙で2/3をとれば、いよいよ憲法改正案を上程へ、安倍首相の任期中に改正をと、ますます息巻いています。 
 
■憲法映画祭のめざすもの 
 
  そこでこの5月1日、第69回目の重要な憲法記念の日を前に、私たちはこれまで続けてきた「憲法を考える映画の会」で上映した作品の中から、まさに「い ま、日本国憲法から考える」映画を選んで、憲法映画祭という形で「拡大憲法を考える映画の会」を開くことを計画しました。いままで24回、上映した31本の作品の中から3本の映画を選びました。映画 日本国憲法』『ありふれたファシズム 野獣たちのバラード』『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』です。 
 
  映画の間に、もと朝日新聞記者の伊藤千尋さんにお話ししていただきます。伊藤千尋さんにはその豊富な海外取材経験から「世界の中の日本国憲法」というテーマでお話しいただこうと考えています。それは、平和憲法は、日本が「戦争をしない」と言うことだけにとどまらず、もともと世界から戦争をなくすという未来に向けた憲法であるということをあらためて訴えていきたいと考えるからです。まさに「誰の子どもも殺させない」。世界の人々が殺し合わないことをめざした憲法なのです。 
 
■憲法を考える映画と上映会をシェアする 
 
  さらにこの「憲法映画祭」を一つの転機として考えていることがあります。私たちは、これまで24回の憲法を考える映画の会を、どのような映画を見てどんな話をするか、探したり、試写したり、どのような映画会にするか話し合って続けてきました。いまみんなが話したいことは何か、それにふさわしい映画はどのようなものかも考えました。おかげさまで映画の会に来ていただく方が増え、少しづつ安定した映画会にすることが出来ました。 
 
  映画会を続けたことによって学んだこともたくさんあります。たとえば憲法は、第9条の非戦平和だけでなく、戦争、国際情勢、核の問題、人権、報道の自由、知る権利、民主主義、差別と闘うこと、教育の問題に深く関わっていることがわかりました。そしてそれらをより深めて考えるのにそれぞれ適した映画があることがわかりました。映画を作って、その考えを伝えていく情熱をもった人たちがたくさんいることも知りました。 
そこで、こうした映画を使った上映と話し合いの場作りをもっともっと広げていく努力をこれからしていきたいと考えています。 
 
  たとえば地方や、人数の小さな会を開くときにも、もっと映画を活用して、映画をいっしょに見て、その感想を出し合い、それぞれが考えていることを話し合っていく場を作る機会に出来たらと思っています。「ここに自分たちで上映会が出来る映画があるよ」、「私たちの映画がある」、「これらの映画を使って人に呼びかけ集まってもらえる映画があるよ」、「映画と上映会をシェア(共有・共催)出来るよ」。 
 
  そうした呼びかけが出来るような冊子(リスト)を、5月1日の憲法映画祭までに作って、そうした場を拡げる活動に取り組みたいと考えています。2014年には「憲法を考える映画のリスト」を作りましたが、新しいものを制作中で、5月1日完成頒布予定です。いっしょにそうした場を作って、拡げて、私たちの憲法のめざしているものを実現しましょう。 
 
 
■「映画 日本国憲法」 
 
  この映画は、海外からの視点で日本国憲法をとらえていて、その世界史的な価値を、あらためて私たちに気づかせてくれます。憲法は多くの犠牲を払って私たちが人類の歴史の上に築きあげてきた日本の文化です。そのような人類にとっても国際政治にとっても価値あるものを、どうして国の「政治」の中だけに押し込めて都合良く変えようとするのでしょうか。 
この映画を見ると、私たち日本国民は日本国憲法を守り続けてきたことを、もっと誇りをもって世界に訴え、拡げていかなくてはという気持ちになります。 
2005年日本映画 78分 監督:ジャン・ユンカーマン 
憲法を考える映画の会の原点ともいえる作品です。 
 
■「ありふれたファシズム 野獣たちのバラード」 
 
  ファシズムは…あなた自身の心の奥にもある!” 
「この映画の目的は、ファシズムをあの時代の典型的な現象として理解し、その根拠を明らかにし、当時の普通のドイツ人の精神を証明し、なぜ彼らがヒトラーに従っていったか、いかにしてナチズムが彼らの弱点を見いだし、それをうまく利用したかを説明することにあった。 
我々はこの映画を見る人と共に、ファシズムについて、ファシズムを生み出す土壌について、人間を野獣に変えることによって人間を破壊していくやり口について考察し、人間が人間であるために何がなされねばならぬかを深く考えたいと思う。」(監督 ミハイル・ロムニ) 
1966年 ソ連映画 129分 監督:ミハイル・ロムニ 
いま進められている戦争の準備、人間を破壊していく「やり口」。ファシズムは私たちの心の中にある。考えることをやめたときファシズムが始まる。 
 
■「ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く」 
 
  災害などの大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革=ショックドクトリン。その源には、政府による市場介入を否定し、福祉国家の解体を唱えた「新自由主義」がある。その実態は、歯止めのきかない貪欲な資本主義である。 
1970年代に台頭した暴力的「市場原理主義」の路線は、癌のように浸潤し増殖していった。ナオミ・クラインは『ショック・ドクトリン』で、その歴史、チリのクーデターに始まってソ連の崩壊、イラク戦争等の歴史的なショック(惨事)の実体を暴いた。1%が99%を支配する世界がどうしてつくられたのか。 
映画は、そのまま3.11後の日本の現実と重なる。 
2009年イギリス映画 82分 監督:マイケル・ウィンターボトム マット・ホワイトクロス 
 緊急事態条項、TPP、原発再稼働、安保関連法施行、と、私たちは今まさにショック・ドクトリンの危険にさらされています。 
 
憲法を考える映画の会 


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