2016年04月15日12時33分掲載
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コラム
「同一価値労働同一賃金」(ペイ・エクイティ)を考慮しない「同一労働同一賃金」論など、なにも言ったことにならない 熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
今さら言うまでもないことだが、今日、「同一価値労働同一賃金」(ペイ・エクイティ)を考慮しない「同一労働同一賃金」論など、なにも言ったことにならない。男と女、正社員と非正規労働者、有期雇用者と無期雇用者の間には、通常の仕事は同じでも、企業側は「責任」、残業や転勤の諾否、さらには勤続をその指標とみなす潜在能力などの違いを言い立てて、同一賃金の支払いを拒むに決まっている。必要なのは、日常の職務評価にもとづいて、上記の立場を異にする労働者の間の不当に大きい賃金格差を是正させることだ。
仕事の価値(必要な技能・知識、労苦・しんどさ、責任、労働環境など)だけによって賃金の格差を決める。それがペイエクイティだ。そのあたり、安倍晋三がわからないのは驚くにあたらないが、マスコミもわかっていないようだ。財界は、立場が違う労働者には同一賃金が押しつけられるわけでなく、「なにかが違う」非正規労働者への今の低賃金が違法にされるわけでないので、まぁなにも痛痒を感じないだろう。
※熊沢氏のFacebookからの転載です
熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
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