2016年04月16日00時41分掲載  無料記事
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市民活動

4/18「日ソ捕虜・収容所協定」25周年記念の集い

 ロシアのラブロフ外相が来日中です。1991年4月にゴルバチョフ大統領が来日し、初めて公式にシベリア抑留死亡者名簿を手渡しましたが、その際に、日ソの外務大臣が署名して「捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定」が締結されました。 
 あれから四半世紀=25年が経ちますが、この協定に盛られていた死亡者情報の提供、遺骨引き渡しはどこまで進展し、達成されてきたのでしょうか? 
 厚生労働省は、4月8日に約5千人の新らたな抑留死亡者名簿を厚労省が発表しました。現時点での課題は何でしょうか?今後、課題を解決するために、この協定で充分でしょうか?不十分だとすれば、何をどう補強し、加えていけばよいのでしょうか? 
 安倍首相の訪露、プーチン大統領の来日も検討されている中で、25年を迎えた協定の意義と現状、今後について考えたいと思います。 
 また、第1回村山常雄記念シベリア抑留研究奨励賞の受賞者の発表も行います。 
 
■日時:4月18日(月)14:00〜16:00(13:30開場) 
 
■会場:衆議院第2議員会館第1会議室(地下1F) 
*13:30より衆議院第2議員会館玄関で通行証を配布します。 
 
■内容:1991年協定の意義、実施状況・成果・問題点について報告と意見交換 
 
       <プログラム(予定)> 
14:00 開会(司会=有光健シベリア抑留支援記録センター代表世話人) 
14:05〜14:15 主催者代表挨拶(池田幸一シベリア抑留支援記録センター世話人) 
14:15〜14:20 駐日ロシア大使館挨拶(予定) 
14:20〜14:25 外務省挨拶&報告(外務省ロシア課白川剛史首席事務官) 
14:25〜14:45 各党国会議員挨拶 
14:45〜15:00 厚生労働省からの報告〔「抑留中の実態解明の進捗状況」(厚生労働省社会・援護局援護企画課 手嶋勝調査資料室長)〕 
15:00〜15:15 問題提起(富田武成蹊大学名誉教授) 
15:15〜15:50 意見交換 
15:50〜15:55 第1回村山常雄記念シベリア抑留研究奨励賞受賞者発表 
15:55〜16:00 閉会挨拶 
 
■問合せ:シベリア抑留者支援・記録センター 有光 健 
(E-mail)cfrtyo@aol.com / cfrtyo@gmail.com 
(Fax)03-3237-0287 
(Tel)03-3237-0217 / 080-5079-5461 
(URL)http://sdcpis.webnode.jp/ 
 
■資料:1991年日ソ捕虜・収容所協定全文 
 
<捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定> 
 
 日本国政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府(以下「ソ連邦政府」という。)は、人道的観点に立脚し、両国民間の真の相互理解及び相互信頼の強化を目指し、一方の国の国民で他方の国の捕虜収容所に収容されていた者(当該収容所で死亡した者(以下「日本人死亡者」又は「ロシア人死亡者」という。)を含む。)に係る問題を速やかに処理することが、この目的に資するものであることを確信して、次のとおり協定した。 
 
第一条(ソ連政府のとる措置) 
 ソ連邦政府は、次の措置を実施する。 
1 日本人死亡者の名簿であって以前に公式の経路を通じて提出が行われていないものを日本国政府に対して提出すること。提出する名簿には、可能な範囲で、氏名、生年月日、出生地又は本籍地、死亡年月日、死亡地、死亡原因及び埋葬地に関する記載が含まれる。 
2 日本人死亡者の埋葬地に関する資料であって以前に公式の経路を通じて提出が行われていないものを日本国政府に対して提出すること。提出する資料には、可能な範囲で、埋葬地の所在地及び埋葬者数に関する記載並びに埋葬地の見取図及びその状況を示す写真が含まれる。 
3 日本国政府の要請に応じ、日本人死亡者の遺骨のうちその引渡しが可能なものはすべて同政府に対して引き渡されることを容易にすること。日本人死亡者の遺骨の発掘及び引渡しの手続並びにこれに係る費用の額は、外交経路を通じて決定される。当該遺骨の発掘及び引渡しに係る費用は、日本国政府によって、日本国の法令に従って負担される。 
 ソ連邦政府にとって日本人死亡者の遺骨の埋葬地を移転する必要性が生ずる場合には、その旨を日本国政府に対して通報すること。 
4 日本人死亡者の埋葬地が適切な状態に保たれるよう努めること。 
5 捕虜収容所に収容されていた日本国民の所持品のうち、ソヴィエト社会主義共和国連邦の公の機関により保有されているもの及び将来見いだされるものを、日本国政府又は同政府が指定する団体に対して引き渡すこと。当該所持品の引渡しの手続及びこれに係る費用の額は、外交経路を通じて決定される。 
6 1に規定する名簿に加え、捕虜取容所に収容されていた日本国民について所持するすべての名簿を日本国政府に対して提出すること。提出する名簿には、可能な範囲で、氏名、生年月日及び出生地又は本籍地に関する記載が含まれる。 
 
第二条(日本政府のとる措置) 
 日本国政府は、次の措置を実施する。 
1 ロシア人死亡者の名簿であって以前に公式の経路を通じて提出が行われていないものをソ連邦政府に対して提出すること。提出する名簿には、可能な範囲で、氏名、生年月日、出生地又は本籍地、死亡年月日、死亡地、死亡原因及び埋葬地に関する記載が含まれる。 
2 ソ連邦政府の要請に応じ、ロシア人死亡者の遺骨のうちその引渡しが可能なものはすべて同政府に対して引き渡されることを容易にすること。当該遺骨の発掘及び引渡しに係る費用は、ソ連邦政府によって、ソヴィエト社会主義共和国連邦の法令に従って負担される。 
3 ロシア人死亡者の墓地が適切な状態に保たれるよう努めること。 
 
第三条(慰霊碑の建立に対する協力) 
 いずれか一方の国の政府が自国民たる日本人死亡者又はロシア人死亡者のために他方の国内に慰霊碑を建立することを当該他方の国の政府に対して要請する場合には、当該他方の国の政府は、その実現のため可能な範囲で必要な協力を行う。 
 その要請の検討及び実現に関連する問題は、外交経路を通じて決定される。 
 
第四条(墓参実施のための便宜供与) 
 いずれか一方の国の政府の代表団、団体又は個人が他方の国内にある自国民たる日本人死亡者又は口シア人死亡者の埋葬地への墓参を行う場合には、当該他方の国の政府は、当該墓参の実施のために必要な便宜を与える。 
 
第五条(協定の実施) 
 両政府は、それぞれの国の法令に従い、この協定に定める諸措置を遅滞なく実施する。 
 
第六条(問題の解決) 
 両政府は、この協定の規定の実施に際して問題が生ずる場合には、外交経路を通じて遅滞なくこれを解決するよう努める。 
 
第七条(効力発生) 
 この協定は、署名の日に効力を生ずる。 
 
1991年4月18日に東京で、ひとしく正文である日本語及びロシア語により本書二通を作成した。 
 
日本国政府のために 中山太郎 
ソヴィエト社会主義共和国連邦政府のために ア・ア・ベススメルトヌィフ 


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