2016年04月22日09時56分掲載
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米国
アメリカ大統領選予備選挙の裏側 選挙人を秘密裏に名簿から削除
昨日のニューヨークでの予備選挙で、ヒラリー・クリントン女史がサンダース氏に大勝し、民主党の大統領候補へかなり近づいた。その裏側でなにが起っているか、それが11月の大統領選挙の行く末にどんな影響を及ぼすだろうかといった問題についての小論(*)を紹介します。(落合栄一郎)
まず、今回の予備選挙に携わった人の言葉:「17時間の選挙監理人の役目が終わったところです。私の選挙区では、今回、166人の民主党選挙人のうち、39人が、名簿から削除されており、供述書を提出させられた。先の選挙の時は、供述書を要求されたのはたったの1人だった」。供述書投票は、投票をしたという形式をとるが、それが集計に加算されるかどうかは不明、多くの場合はされない。今回の予備選挙では、ブルックリンのみで、12万5千の名前が、予備選前に秘密裏に削除されていた。実際ニューヨーク州全体では、選挙人の半数が名簿から削除されていた。現在、調査が開始されている。この問題の弁護士は、両党とも、選挙監理委員会に、派閥の横やりが入っていることが問題であると述べている。今回のニューヨーク予備選挙でこのやり方が、クリントンに有利に働いたかどうか、さらに詳細に調査しなければ断言できない。
しかし、問題はニューヨーク州にとどまらない、アメリカ全体に蔓延する民主主義を破壊する傾向の一部に過ぎない。アメリカ全土を調査してみてわかったことは、州の選挙監理の長は大概、非常に派閥傾向が強い。アメリカ選挙支援委員会によれば、2008年の選挙では、少なくとも49万人の選挙民が、不正にリストから外されていた。そのうえ、238万人は、資格があるにも拘らず、リストにのせられていなかったので、その場で登録せざるを得なかったし、そうした人達のうち、76万7千人の人の票は、数にいれられなかった。
なお、こうした扱いを受ける人の数は、黒人では、白人の9倍にのぼる。この面での人種差別の一例を。黒人でアラバマ州の州上院議員の1人は、今年の選挙では、投票者から外されており、臨時投票者の扱いを受けた。
日本ではどうなっているのであろうか。
*http://www.opednews.com/articles/New-York-voting-fiasco-jus-by-Greg-Palast-New-York_Purging_Voting-Integrity-160420-540.html
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