2016年04月27日22時49分掲載
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北朝鮮
安倍首相は非難しない北朝鮮の計算
金正日総書記の元専属料理人の藤本健二さん(仮名)が北朝鮮に招待され、金正恩第一書記と面談したことが憶測を呼んでいる。
北朝鮮は日本にどう対応しようとしているのか。明確なことは、拉致問題を含め、北朝鮮が日本との交渉継続を期待しているということだ。それは北朝鮮の対日批判の論評や声明を見れば分かる。
北朝鮮は、朝鮮総連や朝鮮学校への圧力、安保法制=「戦争法」の制定、慰安婦問題での日韓合意などについて、繰り返し非難している。
「血なまぐさい犯罪史を否定しようとする日本の反動層を糾弾」(「民主朝鮮」紙)
「朝鮮外務省スポークスマン、日本の右翼反動勢力の民族排外主義策動を糾弾」
「日本の兵器開発は軍事大国化宣言」(「労働新聞」)などなど。
しかし、よく見ると安倍首相への直接の口を極めた非難は見当たらない。日本の「右翼反動勢力」や「反動層」をターゲットにしており、政権に対して言うときも「現執権層」という言葉を使っている。“安倍首相が右翼・反動なことは常識”ということかもしれないが、安倍首相の名前さえ持ち出すことを避けている。
北朝鮮が傀儡国家と位置付ける、韓国の朴槿恵大統領への非難はどうか。
「最も醜悪な対決悪女」「ファッショ暴君」「老いた雌の狂犬」・・・彼女の名前の前後に付いている形容は、読んでいると気分が悪くなるくらい激烈だ。安倍首相への物言いとの差は歴然としている。
交渉相手への配慮と見ていいだろう。北朝鮮による核実験、ミサイル発射で日朝間の対立は厳しくなっているが、水面下では第3国での接触(の試み)が続いているのは間違いない。(西条節夫)
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