2016年07月02日02時13分掲載
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欧州
ペットへの虐待は絶対に許せない 社会学者ミシェル・フィズ(Michel Fize)
人権という言葉があっても、犬や猫の権利という言葉は生まれていない。ペットの愛好家がいる反面で、ペットを捨てたり、虐待したり、殺したりするケースも多数告発されており、それは国境を越えてフランスでも同様のようである。
「ペットへの虐待は絶対に許せない」そう憤慨したコラムをハフィントンポストのフランス語版に寄稿したのはパリ在住の社会学者ミシェル・フィズ氏(Michel Fize)だ。
http://www.huffingtonpost.fr/michel-fize/la-maltraitance-et-la-cruaute-envers-les-animaux-de-comagnie_b_10773228.html
’La maltraitance et la cruaute envers les animaux de compagnie, le scandale absolu !’
フィズ氏は若者の研究者として知られ、長年、国立の研究機関CNRS(フランス国立科学研究センター)に在籍して研究を続けてきた。著書も30冊を越え、メディアにもしばしば登場し、若者の実像などについてインタビューされる人でもある。そのフィズ氏が動物に関して発言するようになったきっかけが愛犬、ウィル(WILL)を去年の春、失ったことだ。ウィルは大型犬に分類されるラブラドール犬だった。この犬と暮らしているうちに、次第にその細やかな感情や知性、理解力や想像力に打たれたフィズ氏は、長年連れ添ったウィルが亡くなってから、大きく打ちひしがれた。その思いを乗り越えるべく、書き上げたのが「メルシー、ウィル。また会おう〜社会学者と犬〜」(Merci Will, et a bientot − Le sociologue et le chien-)というタイトルのノンフィクションで6月に出版されたばかりである。犬と人間が暮らすことはどういうことかを愛犬家として、同時に社会学者として愛情をこめてつづったものだ。
フィズ氏によると、フランスでは毎年夏になると6万頭の犬や猫が捨てられるそうである。フランスの場合、新学期は9月からだから夏休みは1年の最後で、引っ越しなどの事情が関係するのかもしれない。また、ペットの収容施設で安楽死させられるものも数多い。もちろん、ゆがんだ飼い主によって飢餓にさらされて瀕死で発見される犬や、ハンマーで殺される犬もいるという。こうした虐待のケースが、動物愛護団体によって告発され、その映像が披露されるようになり、衝撃を受ける人は少なくないという。それに加えて、食肉工場の鶏や牛・豚の処理の仕方の残酷さ、闘牛や闘鶏の残酷さにもフィズ氏は触れている。けれども、フィズ氏はまず自分は身近な犬や猫のペットの命や暮らしの向上を図りたいという。
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