2016年07月13日23時42分掲載
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政治
憲法改正はどう進むか? 仏文学者・思想家の内田樹氏が事態の推測をツイッターで 緊急事態条項で選挙停止、国会議員が終身身分になる可能性も
以下は衆参両院で3分の2議席をついに獲得した自民党の安倍政権がどう憲法改正にトライしてくるか、仏文学者・思想家の内田樹氏が1つの可能性をツイッターに連続投稿しています。
内田樹氏のツイッターから
「安倍政権には「タイムリミット」があります。首相の総裁任期と次の衆院選です(3分の2とれる保証はありません)。短期決戦となると、逐条的な議論はできません。改憲勢力とのすり合わせの時間さえない。ですから、「緊急事態条項」一本で来るはずです。
緊急事態条項を一般国民はせいぜい「大規模自然災害」のときの緊急避難的措置だと思っているはずです(与党もそう言い張るはずです)。でも、これは総理大臣が「特に必要があると認める」ならば、どんなことでも「緊急事態」に認定でき、それが宣言されると憲法が停止されるということです。
政府が発令する政令が法律に代わる。基本的人権も立憲主義も三権分立も、すべて「緊急事態宣言」の発令中は停止されます。そして、草案をよく読めば分かるとおり、この宣言は100日ごとに国会で継続決議を繰り返せば無限に延長できます。
緊急事態宣言を承認した国会議員たちは、解除の宣言を総理大臣がするまで「終身国会議員」の身分を保証されます。つまり、ひとたび緊急事態条項を通してしまえば、国会の過半数を制した政党は永遠の独裁体制を維持できる。これを変更するためには革命しかないという窮地に国民は追い込まれるのです。
与党はまず九条、十三条、二十五条といった「論争的な条項」の改定を持ち出して国論を二分する大騒ぎを作り出す。しかるのちに「どうも話がまとまりそうもありませんから、どなたにも異論のなさそうな、この『緊急事態条項』だけを『加憲』するというとことで手を打ちませんか」と言い出す。
条文についての些末な議論に倦んだ国民は、「それで政府が『ひっこむ』というのなら、それくらいは認めてやってもいいじゃないか」と妙な寛大さを発揮して、「大規模災害のときに指揮系統を一元化するだけのことでしょ?」くらいの理解で、国民投票に臨む・・・そして日本の立憲主義は終わる。
官邸はそういう「絵」を描いています。僕がいま官邸にいて首相のスタッフだったら、必ずそのシナリオを書きますから。ですから、みなさんよく見ていてくださいね。これから「僕の言う通り」に官邸と与党は動きますから。」
(以上 内田樹氏のツイッターから)
※ 1日後の内田氏のツイッターから
「やっぱり予想通りになりました。これから官邸とメディアは「緊急事態条項は災害の場合には絶対必要」「緊急事態条項は世界中のどこの国の憲法にもある」と言い出します。ここが今から立憲政治の存否の戦いになります。
■安倍政権と「日本会議」 理論的支柱が明かす改憲への道筋
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