2016年07月15日19時22分掲載
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国際
テロとフランスの軍事介入 ルモンドディプロマティークが近年のフランスの軍事介入を報じる
ルモンドディプロマティーク誌はフランスが2001年の同時多発テロ以後、どれくらい頻繁に海外で軍事介入してきたかを昨年暮れに発表しています。これは昨年来、頻発するフランス国内のテロを意識した報道だと思います。ちょうど昨日はニースでテロ事件と思われる殺傷事件が起きたばかりです。フランスの人たちは互いに安否を確認しあっている状況です。
http://www.monde-diplomatique.fr/cartes/france_en_guerre
そもそもフランスでなぜこれほどテロが頻発しているのか。風刺漫画のためなのか?そうではなく、フランスは近年、頻繁に海外で軍事作戦を展開しています。ルモンドディプロマティークのまとめによると次のようになります。
アフガニスタン(2001−2012) 空爆と地上軍
イラク(2014-) 空爆 イスラム国攻撃
シリア(2015−) 空爆 イスラム国攻撃
リビア(2011)空爆 カダフィ政権打倒
チャド(2006、 2008)空爆と地上軍
中央アフリカ(2002−)地上軍
マリ (2013)空爆と地上軍 セルバル作戦
モーリタニア
ニジェール
ブルキナファソ
コートジボアール(2002−2015)地上軍
そのほか常備軍としてジブチ、セネガル、ガボン、アラブ首長国連邦
かつて植民地を持っていた宗主国として、それらの国々の独立後もいろいろな利権や政治上の理念・建前もあり、一概にまとめることはできませんが、少なくともシラク政権のドミニク・ド・ビルパン外務大臣が国連でイラク攻撃に反対していた頃は今のようにテロは頻発してはいませんでした。昨年来の一連のテロは2014年から2015年にかけて、フランス軍がイスラム国対策で空爆をしたことが関係しているとみられます。そしてそういう事態を作ったのは2011年のサルコジ大統領によるリビアのカダフィ政権つぶしでした。サルコジ大統領=オランド大統領、政党は違えど、ともに軍事介入に積極的な政権が続いています。こうした軍事作戦の裏で、フランスの軍需産業がフランス軍ばかりでなく、中東やアフリカで兵器を販売してきた歴史があります。
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