2016年07月16日00時51分掲載
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コラム
ニースの暴走トラック事件 テロなのか、絶望ゆえの単独犯行か 村上良太
ニースで昨日のパリ祭(フランス共和国の革命記念日)の花火大会にトラックが突っ込んで80人以上をひき殺した事件、フランスではチュニジア生まれの男性が引き起こした事件であると報じられています。フランス人からすれば、またイスラム国関係か?と思った人も少なくなく、チュニジア出身ということでその連想をする人もいるようです。チュニジアと言えばイスラム国に最も多数の兵士を送り込んだ国だからです。しかし、未だ、イスラム国などは関与を声明しておらず、それとは違った可能性もあります。
パリ在住のアラビア系の名前を持つ知人のメへディ(Mehdi)さん(無神論者)にこの事件についてどう思っているか、聞いてみました。
Q どう感じましたか?
A あまりにも悲しい出来事です。
(C'est extremement triste)
Q 日本では加害者のドライバーはチュニジア出身ということが報じられたばかりです
A 加害者はチュニジア生まれですが、フランスで結婚して3人のフランス人の子供もいます。
(l'attaquant est ne en Tunisie. il a ete marie en France et a trois enfants francais.)
Q イスラム教徒であることが何か関係していると思いますか?
A 私は関係していないと思います
je ne pense pas
原因は絶望だったんじゃないでしょうか。というのは彼
は妻子を養うお金がなかったのです。ドライバーは暴力
的な傾向があり、刑務所には行かなかったようですが
起訴された経験もあったのです。
c'est un desespere qui n'avait plus d'argent pour
aider sa femme et ses enfants. il etait violent
et a ete comdamne sans faire de prison.
Q 一種の自殺行為なんでしょうか?
A 警察による、自殺行為という意味ではそう言えるでしょ
う。
suicide by cops oui
思うにドライバーは警備陣を通過したわけですが、
その時は彼は警察から銃撃されていません。
警察によって撃たれたのは彼が警察に向けて発砲した後
だったのですから。
その間に彼は次々と人を轢いたのです。
je crois qu'il a passe la securite de force.
mais que personne ne lui a tire dessus.
C'est bien apres quand il a tire sur des policiers
qu'il a ete la cible des tirs.
entre temps il a roule sur des gens
革命記念日の花火大会の会場にトラックが入っていった
経緯は大きな謎に包まれています。サッカーの欧州選手
権の時と同様に非常に多くの警備陣が配置されていまし
た。にも拘わらず、誰も犯人に職務質問をしていないの
です。
le passage de la securite est un grand mystere.
personne n'ose poser la question
il y avait une securite similaire au fan zone de la
coupe d'europe.
そして、ニースには多数の監視カメラが配置されている
のです。これまでいかなるテロ組織からも関与をうかが
わせる記録は出ていません。
et Nice est une ville avec beaucoup de camera de
surveillance.Pour l'instant il n'y a aucun document
qui le relie avec une organisation terroriste
そして、犯行声明も出ていないのです。
未だにテロという証拠はないのです。
過去にこれに類似した事件がありましたが、今回、宗教
は関係ないようです。
( 去年、イゼール県でムスリムの工員が工場経営者を
殺害し、斬首した首をさらした事件)
Il n'y a pas de revendications non plus.
L'attentat terroriste n'est vraiment pas prouve.
pour l'instant c'est similaire a un autre truc mais sans la reference a la religion ::http://www.franceinfo.fr/actu/justice/article/attentat-en-isere-le-suspect-reconnait-avoir-tue-son-patron-697982
知人のメヘディさんの考えはこのようなものでした。しかし、メヘディさんがフランス人の一般的な意見の持ち主かどうかはわかりません。ただ、テロと決めつけるのはいささか早急なのかもしれません。その一方で、オランド大統領は昨年10月のパリのテロ事件で発動した「非常事態」をさらに3か月延長する方針を示したと報じられています。
■燃え上がるリビア 「アラブの春」の果てに(今年2月の記事から)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201602201728226
「皮肉なことは「アラブの春」の先駆けとなったチュニジアがイラク・シリアのイスラム国への最大の戦闘員の派遣国となっていることです。推定3000人と見られています(※5500人という数字もあり、さらにそれ以上の青年がイスラム国行きを事前に阻止されたという報道もあります)。そして、本家イスラム国への包囲網が狭まってくる中で、帰郷してくる兵士も少なくありません。今回、米軍のターゲットとなっていたNourredine Chouchane容疑者は米軍によると、チュニジアやリビアなど北アフリカからイスラム国に若い兵員を送る窓口になっていたとされます。チュニジアで政変が起きた後、若者たちが期待したようには国がなかなか動かず、しかも政変で観光客が激減し、食い扶持がなくなった若者たちの多くが地中海を超えて欧州連合に入っていこうとしました。イスラム国になだれ込んだ若者たちの背後にはこうした不毛な状況があったと考えられます。」
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