2016年07月29日21時15分掲載
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国際
アメリカの留学生の3分の1が中国人 中国人30万人超に対して日本人は2万人弱 年々強まる米中間のコミュニケーション
アメリカのフォーリンポリシー誌によると、中国からアメリカに留学する学生は30万人を超えた。現在、アメリカの留学生総数が約97万人で、およそ3人に1人が中国人となっている。その一方、日本人はというと1万9000人ほどに過ぎない。中国人の15分の1ほどの割合となる。そして、中国からの留学生は増え続けている。
http://foreignpolicy.com/2015/11/16/china-us-colleges-education-chinese-students-university/
記事によれば中国からの留学生は2004年あたりから、激増しているようだ。この頃はリーマンショック前で、米国人が借金して安い中国製品を貿易赤字を気にせずどんどん輸入していた時代である。この頃、中国人が買った米国債は日本人の保有する額を抜き、アメリカの急所は中国人が握ったことになる。中国人が米国債を一気に放出しないようにと、アメリカは願っているから、やすやすと中国と戦争などはできないし、米政治家が対中国のタカ派的な発言をしているとしても、リップサービスの可能性が高い。アメリカと中国は表のパフォーマンスと裏の交渉とで2段階の構造になっており、新聞の見出しを無邪気に信じているのは素人にすぎない。冷戦時代の米ソ関係もそうだが、表向きの外交とは別のバックチャンネルとでもいうべき、裏の交渉窓口があるのである。
こんなジョークがある。日中戦争の時代、蒋介石の妻だった宋美齢がアメリカを日本と戦わせるために、ルーズベルト大統領を中華料理屋に招待した。ルーズベルト大統領は中華料理に舌鼓を打ち思わず、「やりましょう」と宋美齢に約束してしまったそうである。
中国とアメリカと言えば、南沙諸島をめぐって戦争でもするのか、と思う人も日本にはいるだろうが、中国の政治・経済のリーダーたちの多くがアメリカに留学経験を持っているため、アメリカのリーダーと同窓生である率は日本よりもはるかに高い。そして、中国と米国のビジネス上の関係は強く、中国市場は日本と比較にならないほど大きい。日本が戦前に回帰すればするほど、米中関係は昔の同盟関係に向かうだろう。
■中国が米国株を大量売却−世界を圧倒的に上回るペースで保有削減(ブルームバーグ)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-16/O8U9B06K50Y101
■中国、米国債12億ドルを購入 5月(人民日報)
http://j.people.com.cn/n3/2016/0722/c94476-9089839.html
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